五輪代表・山本監督、「高原不在」の腹くくった
腹はくくった−。五輪サッカー男子の山本昌邦監督(46)は15日、予定されていた代表最終選考のスタッフ会議をキャンセルした。FW高原直泰(25)=ハンブルガーSV=がオーバーエージ枠招集を見送られる不測の事態に、現有勢力での総力戦を覚悟した形。16日午後2時、最終登録メンバー18人が発表される。〔写真:腹はくくった。山本監督は、高原抜きでの18人を決断した〕
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衝撃から一夜明け、山本監督は周囲の雑音から離れて思案のときを過ごした。チュニジア戦後の14日深夜、代表宿舎には戻らず雲隠れ。当初予定されていたこの日の代表最終選考のスタッフミーティングも急きょキャンセルした。
「ぼくらの意見はきのうのうちに伝えてある。あとは監督自身が微調整して(18人を)決めるだけです」と『右腕』の石井知幸コーチ。関係者によると山本監督は、高原サイドや医学委員会スタッフとのコンタクトなど各所に連絡を取り、18人に絞りこむ最終決断を下したという。
高原招集の道は絶たれた。「今後のことを考えて結論を出した。方向性が出たのは隠しようがない」と日本サッカー協会・田嶋技術委員長。1次登録メンバー30人に代替のオーバーエージ候補選手はおらず、同枠を1つ使わずに五輪を戦うことが決定。FWは“当確”の平山(筑波大)、田中達(浦和)、大久保(C大阪)、そして高松(大分)が滑り込み4人となることが濃厚だ。
さきの石垣島合宿では5日間寝食をともにした高原の招集見送りに、チームメートは冷静に反応した。大久保は「しようがないッスね。気が引き締まる? 前からっス」と口元をキッ。MF石川(FC東京)は「残念ですが、ほかのメンバーで頑張るしかない」と神妙な面持ちだ。
苦難が山本ジャパンを強くしてきた。3月のアジア最終予選では、大腸菌による集団腸炎で大苦戦。逆境の中からたくましさが生まれ、劇的な五輪切符奪取が叶った。
『死のB組』突破へ。高原加入で突破力を身につける“山本構想”は崩れたが、試練を乗り越えることでさらなる強さが得られるはず。16日に選ばれる18人のアテネ戦士には、それだけの力がある。
★平山は緊張気味
FW陣の軸となる平山(筑波大)は、運命の日を翌日に控えて緊張気味。高原の招集見送りについて問われると「何も聞いていないです」と顔をこわばらせた。16日には、代表発表を受けて筑波大で会見が行われる予定。最年少の五輪代表入りとなるため問い合わせが殺到し、100人を超す報道陣が詰め掛ける見込み。
★高原断念の方向は変わらず
日本サッカー協会の川淵三郎キャプテン(67)は15日、5月末に肺動脈血栓塞栓症を再発したFW高原のアテネ五輪オーバーエージ招集問題について「医師の判断が変わらない限り、日本協会の判断は変わらない」と断念せざるを得ない立場をあらためて強調した。
日本協会のスポーツ医学委員会は高原の病状について、3カ月の療養が必要で五輪出場は危険と結論づけている。田嶋幸三技術委員長もこの日、「今後のことを考えて結論を出した。方向性が出たのは隠しようがない」と招集を見送る方針を示した。
最終メンバー18人は16日午後2時から発表される。川淵キャプテンは田嶋委員長に、16日午前中までに最終的な結論を報告するよう指示した。
★ハンブルクの高原、流れに任せるしかない
日本協会側から五輪アウトの通告を受けたFW高原は15日、所属するハンブルガーSVに姿を見せ、リハビリトレーナーのギュンター氏、FWラウトとともに軽めのランニングで汗を流した。チームは17日のインタートト杯FCトゥーン戦のため移動するが高原は帯同しない。所属事務所関係者は「突然のことで驚いている。今は流れに任せるしかないです」と困惑していた。
(円賀貴子通信員)
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