「なでしこジャパン」18人、さあ夢のメダル獲り
アテネ五輪に臨むサッカーの日本女子代表18人が15日、日本サッカー協会から発表された。天敵・北朝鮮を3−0で撃破し、日本中に感動を与えた4月のアジア最終予選とほぼ同じメンバー構成。上田栄治監督(50)は8月11日の強敵スウェーデンとの1次リーグ初戦も、エースの沢穂希(25)=日テレ=を中心とした不動のイレブンで臨むことを明言した。『国立の奇跡』をアテネで再現させ、夢のメダル獲りに挑む。〔写真:上田監督=中央=は発表会見に「なでしこ」を持って登場。最終メンバー18人に熱い思いを込めた。左は大仁女子委員長、右は平田GS=撮影・森本幸一。同下:北朝鮮戦の先発メンバーがこれ。アテネで『国立の奇跡』を再現させる〕
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ひな壇の中央で上田監督はじっと目を閉じ、唇をかみしめ、左隣の大仁邦弥・女子委員長が1人ずつ読み上げるアテネ五輪代表18人の名前を聞いていた。「最後まで悩みました」という顔ぶれはほとんど不動。指揮官の脳裏には、夢のメダル獲りへの青写真が鮮明に描かれていた。
「北朝鮮戦のメンバーをベースに、新しいことにトライするよりは質を高めて臨みたい」。まだ記憶に新しい4月24日の北朝鮮とのアジア最終予選準決勝。7連敗中だった天敵を3−0と一蹴し、日本中に感動を与えた先発11人を五輪初戦の先発にも指名した。
パワーアップさせるための「種」はすでにまかれている。12日から14日まで静岡県内で行われた第2次強化合宿。五輪1次リーグ同組のスウェーデンとナイジェリアを独自に編集したビデオの上映を解禁したが、その際にこう唱えることで「催眠術」を施した。
「スウェーデンは、勝てない相手じゃない。ナイジェリアは、負ける相手じゃないんだ」
スウェーデンとの過去の対戦成績は1分け4敗。得点3に対して失点18と、昨年のW杯2位の強豪に歯が立たない。しかし、ビデオには「GKは大柄だが、プレッシャーをかけると判断ミスを犯しやすい」という世界の強豪が抱える意外な弱点が映っていた。
驚異の身体能力ばかりが強調されるナイジェリアだが、同W杯は3戦全敗、得点0、失点10で予選リーグ敗退。「戦術は日本が上」はすでにチーム全員の合言葉だ。
今回同様、ビデオで徹底的に研究した北朝鮮戦では「センターバックの足元が弱い」という共通意識で3ゴールを量産した。上田監督は23日に単身で渡欧し、24日にノルウェーと対戦するスウェーデンをその目で丸裸にする。
「なでしこジャパンの魂を込めた戦いで、メダルに挑戦したい」と上田監督。『国立の奇跡』をアテネで必ず再現してみせる。
(藤江直人)
| ★国立の奇跡4・24VTR★ |
| 五輪サッカー女子日本代表は今年4月24日、アテネ切符をかけてアジア予選準決勝で北朝鮮と対戦。サッカーの聖地・国立競技場には3万を超える大観衆がつめかけた。前半11分、FW荒川が相手DFのミスをついて先制。前半終了間際にはオウンゴールで2点目。後半19分にはFW大谷がダメ押しの3点目。終盤は北朝鮮の猛攻を受けながら無失点で切り抜けた。91年5月の勝利から13年間(7試合)も勝てなかった強敵を下し、96年アトランタ大会以来、2度目の五輪切符をつかみ取った。 |
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| ▼国立 |
| 日 本 |
3 |
2−0 |
0 | 北朝鮮 |
| 1−0 |
| 【得点者】▼日=荒川、O・G、大谷 |
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| ★vs北朝鮮・日本スタメン★ |
| 位置 |
背番 |
氏 名 |
| GK |
(1) |
山郷のぞみ |
| DF |
(5) |
川上 直子 |
| (3) |
磯崎 浩美 |
| (13) |
下小鶴 綾 |
| (2) |
矢野 喬子 |
| MF |
(8) |
宮本ともみ |
| (6) |
酒井 興恵 |
| (7) |
山本 絵美 |
| (10) |
沢 穂希 |
| FW |
(9) |
荒川恵理子 |
| (11) |
大谷 未央 |
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| ★アテネ五輪女子サッカー★ |
| 出場は10カ国。男子同様、8月13日の開会式に先がけて11日にスタート(決勝と3位決定戦は26日)。3カ国ずつ2組(E、F組)、4カ国1組(G組)の計3組に分かれて1次リーグ。E、F組の2位までと3位同士の成績上位チーム、G組の3位までの計8カ国が決勝トーナメントに進出する。日本はE組1位ならG組3位、2位だとF組1位と準々決勝。F組1位は強豪のドイツか中国になりそうで、何とかスウェーデンを破ってE組1位突破が望ましい。 |
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★沢は力強く「100%の力で戦える」
日本女子代表のエースとして代表最多キャップ85を誇るFW沢穂希(25)=日テレ=もアテネ行きの18人に選ばれた。会見は欠席したが「本番では100%の力で戦えるので、予選で助けてもらった仲間に恩返しをしたい。必ず点を取ります」と所属クラブを通じてコメントを発表した。
沢はアテネ五輪アジア最終予選中に右ひざを痛め、5月上旬に手術を受けた。今月11日のリーグ戦で約2カ月ぶりに実戦復帰し、ゴールを決めて復活をアピールした。
五輪で対戦するスウェーデンとナイジェリアのビデオを見た沢は「スウェーデンはGKが弱点だと思う」と分析済み。96年のアトランタ五輪は17歳で出場したが、「覚えていない」と話す。今回は選手として脂の乗りきったとき。アテネの地で勇躍する。
(稲垣博昭)
★ポイントゲッター荒川、「みんなで金メダル」
日テレ・ベレーザからはFW沢を含めて5人の代表選手が選ばれた。所属チームのクラブハウスで会見した荒川は「(チームを)盛り上げて点を取りたい。みんなで力を合わせて金メダルを取りたい」と力強く抱負を語った。荒川はアジア予選準決勝の北朝鮮戦で先制点をあげ、13年間も勝てなかった難敵を下す『国立の奇跡』の立役者になった。
〔写真:五輪代表に選ばれて笑顔を見せる日テレの荒川、小林、酒井、小野寺=左から〕
★大部が引き続き主将
主将にはアジア最終予選に続いて29歳のベテランDF大部(YKK)が指名された。「あの前向きなリーダーシップはなかなかできない。試合に出る出ないは別です」と上田監督も全幅の信頼を寄せた。攻撃の沢と並び、守備で日本女子サッカー界を支えてきた第一人者。最近は22歳の成長株、下小鶴に先発を奪われているが、その存在感はまだチームに欠かせない。
★川上は猛暑対策に着手
不動の右サイドバック川上(TASAKI)はすでにアテネの猛暑対策に着手している。五輪切符獲得後は練習で常にビニール製のピステやヤッケを着用。「体が動かなくなるので暑さは心配。なるべく多く汗を出すようにしています」。北朝鮮戦では3人抜きのドリブルを披露したテクニシャン。「抜けばチャンスになる。どんどんトライしたい」と意欲をのぞかせていた。
★バックアップメンバーは4人
最終メンバー18人のほか、故障者が出た場合に交代で追加登録が可能となるバックアップメンバー発表された。GK福元美穂(20)=岡山湯郷=、DF宮崎有香(20)=伊賀=、MF近賀ゆかり(20)=日テレ=、FW鈴木智子(22)=TASAKI=の4人。
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