日本サッカー、メダル獲りは“キャプテン伸二”に任せた!
日本サッカー協会は6月30日、8月のアテネ五輪に向けた石垣島合宿(7月6−12日)、U−23チュニジア代表戦(14日、豊田ス)の代表候補26選手を発表した。山本昌邦監督(46)は石垣島合宿中に、MF小野伸二(24)=フェイエノールト=とFW高原直泰(25)=ハンブルガーSV=の追加招集を目指すことを明言。小野をチームの『核』に指名した。〔写真右:山本監督から主将に指名された小野。36年ぶりのメダル獲得の夢を託された。同下:山本監督は石垣島合宿中までに、さらに小野と高原の合流を目指す〕
■日本男子五輪代表候補メンバー
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36年ぶりメダル獲得へのカギは“キャプテン小野”に託された。山本監督が、同郷・沼津の後輩でもある小野をチームの『核』に指名した。
「現代サッカーで最も重要なダイレクトプレーの技術を持った選手。ボランチ、トップ下、左サイドもできるが、ゲームの流れの中で一番効果的なポジションを任せたいと思っている」
信頼が厚い。抜群の技術とセンスだけでなく、そのリーダーシップにも期待する。小、中、高校時代はもちろん、浦和では20歳で主将に就任。今季は多国籍軍フェイエノールトでキャプテンマークを巻いた。五輪ではこうした実績にかける。
そもそも、準優勝した99年世界ユース選手権で小野を主将に指名したのは、トルシエ監督に代わり急きょ指揮を執った当時の山本コーチだった。この日発表されたメンバーに名前はないが、別メニュー調整になることを覚悟の上で、小野、そして高原の石垣島合宿参加を実現させる。
「食事やミーティングをともにするだけでもコミュニケーションが図れる」。この日渡欧した田嶋技術委員長が、早期参加についてクラブ側と交渉に入った。
山本監督は小野、高原の2人と電話で連絡を取り、コンディショニング面も確認済み。小野からは個人トレーナーをつけたコンディション作りの報告を受け、「綿密な計画をたてトレーニングをしているようだし、100%信頼している」とほおを緩ませた。
小野は前回の00年シドニー五輪で、左ひざ内側側副じん帯断裂で代表漏れ。山本監督は本人の当時の悔しさを誰より知っている。“主将”として五輪舞台に帰ってくる小野を右腕に、メダル獲りへの戦いをイメージしていく。
★石垣島★ 沖縄本島から411キロ、台湾から260キロに位置する八重山諸島の中心地。面積は約220平方キロ、人口は約4万5000人。亜熱帯気候の特性を生かした農業や観光が盛ん。特産品は石垣牛、かまぼこ、泡盛など。毎年4月にトライアスロン大会が開催されている。プロボクシング元世界王者の具志堅用高は石垣島出身。7月の平均最高気温は31・8度で、日差しが強いが台風が少なく天気は安定している。ちなみに、8月のアテネの平均最高気温は33・2度。
★アテネの『熱』を体感せよ
石垣島合宿のテーマはズバリ「暑熱対策」。1年で7月の平均気温が最も高い(28度前後)石垣島で、気温30度以上が予想されるアテネの猛暑に体をなじませることが目的だ。「日焼けに慣れ、汗腺を開かせることも大事。本番でヤケドしないようにね」と山本監督。合宿中は美しい海や自然を背景に、フィジカルトレーニングを中心に強化に励む。
★高原はすでに2部練習も
山本監督は肺動脈血栓塞栓症から復帰を目指す高原からは、すでに2部練習も行っているとの報告を受けている。「意欲的だし、意識してやっているようです」と満足顔。オーバーエージ選出の理由には、U−14や静岡県選抜時代から一緒にプレーする『小野−高原コンビ』の相性のよさを強調。「1+1が2にも3にもなる。2人だけでもある程度のことができる」と評した。
★チュニジア戦が“最後の聖戦”
五輪最終登録選手のJOC提出締め切りは7月16日。14日のU−23チュニジア代表戦は、18人を選考する『最後の聖戦』になる。山本監督は選考ポイントを「アテネで目標とする結果を出せる選手。本番ではたくましさがベースにないと戦えない」と説明。この日発表された26人+2人(高原、小野)=28人から18人へ。厳しい眼差しは石垣島合宿にも注がれる。
★チュニジア★
アフリカ大陸北部に位置し、イタリア・シチリア島を望む地中海に面する。首都はチュニス。1956年サッカー協会創立、60年FIFA加盟。五輪はアテネが4度目の出場。過去3度はいずれも1次リーグ敗退。今回のアフリカ予選では、セネガルなどの強豪を破り無敗でアテネ出場権を獲得した。W杯出場は過去3度ですべて1次リーグ敗退。日本とのA代表戦は02年日韓W杯で0−2で敗れるなど、チュニジアの3戦全敗。ちなみに、A代表の最新FIFAランクは33位(日本は23位)。
★田嶋委員長が渡欧、フェイエに“完全承諾”させる
日本サッカー協会の田嶋幸三技術委員長が6月30日、オーバーエージ枠で招集するFW高原(ハンブルガーSV)、MF小野(フェイエノールト)の所属クラブとの交渉のため渡欧した。高原については基本的にOKを取り付けている。小野については「フリット監督は五輪OKと言ってるそうだが、その後のW杯予選がNOでは困る。そのあたりも確認したい」と“完全承諾”を取り付ける構えだ。
★平山はひとまずU−19に集中
五輪代表候補入りしたFW平山(筑波大)は6月30日、U−19日本代表としてシンガポール遠征に出発した。「今はこの合宿に集中したい。五輪? 終わってから考えます。暑さはやっぱり慣れないですね」。2日のU−19シンガポール代表戦後、チームを離れて6日からの沖縄・石垣島合宿に参加する。この時期のシンガポールは日中の気温が30度以上。石垣島でアテネの暑さに慣れようとする五輪代表候補だが、平山はひと足先に暑さ対策を始める?
★女子は★
五輪サッカー女子日本代表は7月7日に御殿場合宿(12−14日)のメンバーが発表され、7月中旬に最終登録メンバーが決定する。27日から再び国内強化合宿に入り、30日にFIFAランク11位の強豪カナダ代表戦を行う。8月1日からオランダ合宿を行い、6日にオランダ代表戦。11日の1次リーグ初戦スウェーデン戦に備える。
★五輪日本史★
男子サッカーの初出場は36年ベルリン大会で8強入りした。1回戦で優勝候補スウェーデンを下した勝利は「ベルリンの奇跡」と呼ばれる。68年メキシコ大会ではFW釜本邦茂らを擁して銅メダルを獲得。アジア勢のメダルはこれが唯一だ。28年ぶり出場の96年アトランタ大会では、初戦でブラジルを破り「マイアミの奇跡」を起こすが1次リーグ敗退。00年シドニー大会は、準々決勝の米国戦で中田英がPKを外して敗れた。女子は96年にアベック出場しているが、1次リーグ3連敗で敗退した。
★世界の勢力★
五輪にサッカー競技が加わったのは08年ロンドン大会から。英国が2大会連続で金を取るなど初期は欧州勢が実力を発揮した。ユーゴスラビアが銀を取った48年ロンドン大会から80年モスクワ大会まで東欧勢が台頭。最近は96年アトランタ大会でナイジェリア、00年シドニー大会でカメルーンが金とアフリカ勢が勢力を伸ばしている。
女子サッカーが正式種目になったのは96年アトランタ大会から。金を獲得した米国は00年シドニー大会でも銀を獲得。ほかに中国、ドイツ、スウェーデンが世界のトップに君臨している。
★ルール★
フィールドは国際試合の場合、タッチライン100−110メートル、ゴールライン68メートルの長方形。サッカーボールを用い、幅7・32メートル×高さ2・44メートルのゴールに何点入れるかを競う。人数は1チーム11人。原則的に足、ヘディングでボールを扱い、手や腕を使うと反則(ハンドリング)。試合は前後半各45分間。90分間で決着がつかない場合は本大会1次リーグは引き分け、決勝トーナメントは前後半各15分間の延長、PK戦で勝負を決する。
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