女版ゴン中山・大谷2発! 日本女子7−0発進
運命の一戦に向けて爆勝発進! アテネ五輪女子アジア予選が18日、駒沢陸上競技場などで開幕。日本は怒濤のゴールラッシュでベトナムを7−0で下した。FW大谷未央(24)=TASAKI=の2得点など攻撃陣がフル回転し、守備陣も鉄壁の守りでスキを与えず。アテネ切符をかける24日の準決勝、対戦が確実な北朝鮮戦(国立)に最高のスタートを切った。〔写真:FW大谷はゴン中山ばりの突進。後半14分、ゴール前の競り合いに勝ち2点目を入れた=撮影・荒木孝雄〕
■アテネ五輪女子アジア予選へ
◇
| ▼C組(駒沢) |
日 本 1勝 勝ち点3 | 7 | 3−0 4−0 | 0 | ベトナム 1敗 勝ち点0 |
|
【得点者】▼日=宮本2、大谷2、丸山、山本、沢
アテネに向けて好発進だ。太陽の下で日の丸が揺れ、サポーターの青が映える。駒沢陸上競技場に集まった6513人の観衆が、怒濤のゴールラッシュに酔いしれた。
「7−0には満足しています。いいスタート切れました」。ジーコ・ジャパンでは、ここまでスカッとした完勝劇はなかなか味わえない。前半3分の先制から後半ロスタイムまで、まばたきする間も惜しいゴールの連続。上田監督も十分な手応えを感じ取っていた。
男子に続け! これを合言葉に迎えたアジア予選の第1戦。全開したのは大谷だ。前半7分、FW沢の右からのセンタリングをゴール前で受けると相手DFをかわして右足弾。後半14分にも、クロスボールを相手DFとGKと競りながらゴールにねじ込んだ。
「前に行きすぎてずれたけど、反応できてうまくゴールできた」。2点目には自画自賛。ゴンこと中山雅史(磐田)をほうふつさせるダイナミックなプレー。人気サッカー漫画『キャプテン翼』の日向小次郎をこよなく愛するだけあって、その突進力は目をみはる。
昼間は田崎真珠株式会社(TASAKI)のOL。ネックレスや指輪の宝飾類の加工をする工芸部に所属する。「不器用だったですけど、手先は器用になりました」と笑うが、もちろん器用なのは指先だけではない。
昨年のLリーグでは3年連続得点王。チームの初優勝に貢献し、初のMVPも獲得した。日本代表ではFW沢が精神的支柱としてイレブンを引っ張っているが、実はその沢を超える数字を残している。
日本代表41試合目のこの日、2得点を加えて代表通算28得点とした。これは1.46試合で1得点の計算だ。沢は日本代表83試合目で代表通算52得点。こちらは1.62試合で1得点となる。数字の単純比較では日本代表ナンバーワンだ。
「北朝鮮戦に向けて集中してトレーニングして質を高めたい」。上田監督も24日の準決勝(国立)で北朝鮮を倒すことしか頭にはない。どこからでも得点できるこの破壊力。『打倒・北朝鮮』を必ず果たしてみせる。
(稲垣博昭)
★大谷 未央(おおたに・みお)1979(昭和54)年5月5日、兵庫県生まれ。24歳。TASAKIペルーレFC所属。00年5月31日の豪州戦で代表デビュー。得点感覚に優れ、昨季のLリーグではMVPと3年連続の得点王。同年の女子W杯米国大会のアルゼンチン戦ではハットトリックを決めた。代表通算41試合28得点。1メートル60、49キロ。独身。
★沢は終了間際に「やっと入った!」
日本のエースが最後にやっと決めた。FW沢(日テレ)が後半ロスタイム、GKの頭上を越すループ弾で7点目。それまで3度の決定機を含めてゴールに嫌われていた。思わずその場で「やっと入った!」と両手を突き上げた。「入れたい気持ちが強くて空回りした。最後は外れたらどうしようという感じでした」。前半に腰と左ひざを痛めたがフル出場を果たした。(駒沢)
★奥様・宮本は先制点など大活躍
代表唯一の既婚プレーヤーMF宮本(伊賀)が魅せた。前半3分に左足で先制点、同41分には右CKからGKが弾いたボールをヘディングシュートで2得点。最後はFW沢のゴールをアシストするなどの大活躍だった。「早めに点を取りたいと思ってた」と満足顔。試合前には夫の宏章さんから「頑張れ!」のメールをもらい、ラブパワーを発揮した。
◆右サイドから計15本のオーバーラップを見せたMF川上直子(TASAKI)「後半、相手の動きが止まったのでもっと前に行かなくてはいけなかった」
★男子の山本監督も「よかった」
出場権獲得に快勝スタートの女子にU−23日本代表の山本監督も「よかった。24日に向けて頑張ってもらいたいね」と祝福。五輪本大会では、男女とも同じ会場で試合を行うこともあり、ダブル出場となればアドバンテージにもなる。「出場を信じて女子の分も視察してきますよ」とギリシャ遠征に出発した。
◆観戦した日本協会・川淵キャプテン 「今年は五輪代表も含めて13試合見たけど、こんなにリラックスして見られたのは何試合ぶりかな? 北朝鮮戦まで集中して何とか勝たしてやりたい」
★北朝鮮も5−0圧勝スタート
順当に行けば準決勝で日本とアテネへの切符をかけて対戦する北朝鮮は広島ビで台湾を5−0で圧倒した。2得点のリ・クムスクは「この試合は始まりにすぎない」と気の緩みはなし。ウォン・キョンハク監督も「選手の動きはよかった。日本と戦うことになれば激しい試合になる。アテネへの道は簡単には開けないだろう」と口元を引き締めた。
★次の相手はタイ
日本の次戦は4月22日のタイ戦(国立)だ。FIFAランクは41位(日本は14位)。ベトナムがほぼ同格の42位であることを考えれば、同じように点差や内容が問われる。初対戦は女子が初めて『日本代表』を結成した81年6月のアジア選手権。このときは0−2で敗れた。その後は4連勝中。最近は03年3月の親善試合で9−0と圧勝している。過去の対戦成績は日本の4勝1敗。
|
★日本女子代表のタイ戦全成績★ |
| 年月日 | 大会名 | スコア | 場所 |
| 81・ 6・11 | アジア選手権 | ●0−2 | 香港 |
| 86・12・21 | アジア選手権 | ○4−0 | 香港 |
| 98・12・ 8 | アジア大会 | ○6−0 | バンコク |
| 99・11・ 8 | アジア選手権 | ○9−0 | イロイロ |
| 03・ 3・19 | 親善試合 | ○9−0 | バンコク |
|
★アテネへの道★
アジア予選は、11カ国が3組に分かれて各組総当たりのリーグ戦を行う。各組1位の3チームと2位の最上位=(1)勝ち点÷試合数(2)総得点÷試合数(3)抽選の順で決定=の計4チームが決勝トーナメントに進出。準決勝の組み合わせはA組1位−C組1位、B組1位−2位最上位。決勝進出2チームが五輪出場権を獲得する。
|