U−23得点王・高松、“ホワイトデー弾”決めてやる

高松大樹 高松で勝つ! アテネ五輪を目指すサッカーU−23日本代表は14日、アジア最終予選日本ラウンド初戦のバーレーン戦(埼玉スタジアム)に臨む。UAEラウンドで痛恨の0−0ドローに終わった因縁の相手との再戦で、FW平山に代わって先発濃厚なのがFW高松大樹(22)=大分=だ。何と10戦6発の山本ジャパンの得点王。約77分に1点を稼ぐ『一発必中男』が、集団下痢騒動の不安残る日本をアテネへと導く。〔写真右:日本ラウンドが14日に開幕。10戦6発男・高松がアテネ切符を手繰り寄せる=撮影・小倉元司。同下:前回のUAE戦では後半40分、劇的な先制ゴールを挙げ、仲間の下敷きになって祝福された=撮影・塩浦孝明

アテネ五輪アジア最終予選へ

 絶対に落とせない日本ラウンドの初陣だ。埼玉スタジアムの夜風は冷たいが、それだけ気持ちが引き締まってくる。高松は早くも、そこでスパークする自分をイメージしていた。

 「前の試合どうこうより、勝つことが大前提。体力が続くまで思い切って前から行きたいと思います」

 『一撃必中男』がアテネ切符を託された。山口県の同郷・FW田中達(浦和)と2トップで先発出場が濃厚。最終決戦3試合直前の公式練習では、サイドからのクロスに得意のヘッドをサク裂させるなど猛アピールしてみせた。

高松大樹=下=ら 今年1月に入籍したばかりの妻・美由紀さん(25)をバーレーン戦のスタンドに招待している。14日はホワイトデー。豪州合宿から帰国した直後の2月14日には、高級ブランド「プラダ」の洋服と手作りチョコレートをもらった。「明日返さないといけないですね」。大テレで誓う『ホワイトデー弾』だ。

 平山や大久保を完全にしのぐ。現在、チーム得点王の6ゴール。それも山本ジャパンに抜てきされた昨年8月からわずか半年、10試合で稼ぎ出した。うち6試合は途中出場。約77分で1ゴールという抜群の“稼働率”を誇る。3試合を終え、山本監督はバーレーンを「一番力を持ったチーム」と分析。重要な一戦。だからこそ、勝負強いエースに、先発白羽の矢が立った。

 5日のUAE戦では直前に発生した集団下痢騒動の中、2−0勝利し、山本監督は男泣き。しかし、緊急事態はまだ続いている。帰国後も感染者はおさまらず試合3日前の11日には、急きょ2人がメンバー交代。症状は回復に向かっているが、予防の意味も含め、今も選手全員に抗生物質が配られている。

 「90分間は無理な選手もまだ数人いる」(山本監督)という状態で総力戦は必至。「ここまできたらやるしかない」。高松は選手全員の思いを代弁する。

 「トーナメントのつもりで勝ち点を取っていくだけ。90分間、勝ちだけを目指します」と山本監督。首位ターンといえども2位UAEとの勝ち点差は「1」。1つも落とせないギリギリの戦い。選手たちは、死力を尽くしアテネ切符を奪いに行く。

★高松 大樹(たかまつ・だいき) 1981(昭和56)年9月8日、山口・宇部市生まれ。22歳。多々良学園高では3年連続高校選手権出場。高3の高校総体では4強。卒業と同時に大分(当時J2)に入団、昨季26試合に出場しレギュラー獲得。J通算87試合、19得点。家族は今年1月に結婚した妻・美由紀さん。1メートル81、72キロ。

★データBOX★

▼高松が五輪代表で初出場したのは、03年8月6日のエジプト国際大会のヨルダンA代表戦(2−2)。この試合で初ゴールもマーク

▼UAEラウンドでは3戦とも途中出場。3日のレバノン戦、5日のUAE戦ではそれぞれ1ゴールを記録。とくにUAE戦は後半40分の劇的な先制弾だった

▼五輪代表通算6ゴールはチーム1位。2位は田中達の5点、3位は大久保、松井の4点。この6ゴールはわずか10戦で生み出したもの。時間にすると通算463分。約77分に1ゴールの計算

★高松大樹のU−23出場試合全成績★
年月日大会相手スコア出場
03・ 8・ 6エ国ヨルダンA△2−2▲36
8・ 8パレスチナA○2−1▲10
8・10エジプト●1−3▽85
9・17親善韓国●1−2▲45
10・29香港A○1−0▽71
11・ 3カタールA○1−0▽47
04・ 2・11ロシアA△1−1▽72
3・ 1五予バーレーン△0−0▲ 7
3・ 3レバノン○4−0▲45
3・ 5UAE○2−0▲45
合計10試合463分6点
【注】出場の▽は先発途中交代、▲は途中出場、数字は出場時間(分)。
大会のエ国はエジプト国際大会、五予はアテネ五輪アジア最終予選

山本ジャパン
得点ランク
6点高松 大樹
5点田中 達也
4点大久保嘉人
松井 大輔
3点阿部 勇樹
石川 直宏
2点鈴木 啓太
1点森崎 浩司
茂庭 照幸
山瀬 功治
徳永 悠平
根本 裕一
平山 相太
★田中達も3戦連続ゴールに挑む

 FW田中達(浦和)は高松とともに五輪予選での3戦連続ゴールに挑む。「また違った大会と思って一戦一戦やるだけ」と淡々。「初戦が大切。絶対勝ちたい」と勝利優先だ。それでも、UAEラウンドでは6得点中5点に絡んだ“大当たり男”。「FWとして点は取りたいけど、やることはたくさんあるから」とゴール、アシストを問わない活躍を誓った。

★日本はバーレーン戦でこうなる★
勝敗今後
勝ち点10で首位キープ。バーレーンの1位がほぼ消滅。UAEの結果次第で16日にも五輪切符
勝ち点8。UAEの結果次第で2位転落。2強状態で18日のUAEとの最終決戦を迎える可能性大
勝ち点7のまま。バーレーンが生き返って三つ巴の戦いに。18日のUAE戦が逆転をかける大一番

★3・1バーレーン戦VTR★

 日本は終始攻めながらも決定力を欠いた。前半は再三、相手ゴールを脅かすも、ゴール前を固めるDF陣を崩せず0−0で折り返した。後半終盤にFW高松を投入。DF闘莉王も積極的に攻撃参加するが、どうしても得点できない。結局、0−0のまま終了。痛いドロー発進となった。

★バーレーンも体調不良

 14日に日本と対戦するバーレーンの一部選手も体調を崩していたことが分かった。頭痛を理由に12日の公式会見をキャンセルしたシェリダ監督は「日本の選手が体調を崩していることは知っている。だが、実はわれわれやレバノンの中にも体調が悪い選手がいるんだ」と嘆き気味。この日は午後から都内で完全非公開で約1時間練習を行った。負ければB組1位が絶望的になる一戦だが…。

★バーレーン王国★

 1971年に英国から独立。首都はマナーマ。ペルシャ湾のほぼ中央に位置し、33の島からなる。1957年サッカー協会設立。66年FIFA加盟。過去のW杯、五輪出場はなし。日本A代表との対戦は、78年アジア大会のみで日本が4−0勝利。A代表のFIFAランクは64位。


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