連続零封のGK林、日本を救うスーパーセーブ

GK林 サッカー五輪アジア最終予選B組(1日、UAE・アブダビ)日本0−0バーレーン。攻撃陣が山本ジャパン16戦ぶりの完封を許す一方で、守備陣は2戦連続無失点。バーレーンの前に仁王立ちしたのはGK林卓人(21)だった。ピンチのたびに好判断の飛び出し&スーパーセーブを連発。勝ち点「1」は確かに痛いが、3日のレバノン戦にきっとつながる。〔写真:再三脅かされた日本ゴール。死守したのはGK林だった=撮影・塩浦孝明

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 無意識のうちにペナルティーエリアを飛び出していた。後半42分に訪れた絶体絶命のピンチ。カウンターからのスルーパスに反応したM・アリのシュートを懸命に防いだ林が、その余韻に浸る間もなくダッシュする。

 視界に映っているのはこぼれダマと、それに追いつきかけているA・フバイル。コーナーフラッグ付近にまでもつれ込んだ死闘は、手を使うことが許されない日本の守護神に軍配が上がった。

 日本協会の田嶋技術委員長が試合後「(林)卓人が本当によく守ってくれた」と胸をなでおろした。前半10分にはMFマッキが放った強烈なシュートを必死にセーブ。左手の先でボールのコースを変えCKに逃れた。

 「そう簡単に勝たせてくれる相手などいないことが分かった。僕たちには、一瞬たりとも下を向くヒマはない」。無念のドロー発進にも背番号18は胸を張った。

 1メートル86、84キロとサイズに恵まれながら、元日本代表GK下田の厚い壁に阻まれ、Jリーグではわずか2試合しか出場していない。「選ばれるかどうか本当に不安だった。(選出の)電話をもらった時にはホッとしました」とは偽らざる本音。山本監督はその体に眠る潜在能力を見抜いていた。清水のレギュラー黒河を差し置いての、大事な初戦への抜擢。未完の大器が、2月21日の韓国戦に続く2試合連続の零封で期待に応えた。

 テレビ観戦した2月18日のオマーンとのW杯アジア1次予選。苦戦したA代表の中で、林の視線は常に楢崎に注がれていた。

 「タイミングのいい飛び出しや常に集中しているところは、さすがだなと思いました」。日本から遠く離れた異国の地で振られる日の丸に心を震わせた。ゴールを守り抜いた90分間。「ここでやらにゃあ、男、ちゃうでえ」。守護神の雄たけびが悪夢のスタートを切ったチームを鼓舞する。

林 卓人(はやし・たくと) 1982(昭和57)年8月9日、大阪・茨木市生まれ。21歳。金光大阪高から01年、広島入団。J通算2試合出場ながら03年カタール国際トーナメントで頭角を現し、山本ジャパンでは通算11試合出場。大型ながら素早い反応が持ち味。好きなGKはイタリア代表ブッフォン。1メートル86、84キロ。


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