14日ナイジェリア戦、沢が「ヒロイン宣言」

FW荒川とハイタッチするMF沢=右 歴史的勝利でメダルへ一直線! 11日に強豪スウェーデンを1−0で下した五輪サッカー女子日本代表が12日、ボロスからアテネに移動した。E組1位突破が見えてきたいま、あとは14日に対戦するアフリカ王者のナイジェリアを粉砕するだけ。エースMF沢穂希(25)=日テレ=が、ナイジェリア戦でゴールラッシュをかける。〔写真:スウェーデン戦の前半24分、先制点を決めたFW荒川とハイタッチするMF沢=右。ナイジェリア戦でのゴールを予告した=撮影・尾崎修二

 歴史的な大金星を挙げた“なでしこジャパン”が、アテネの地に乗り込んできた。エースMF沢がナイジェリア粉砕を予告した。

 「こっちにいる間に得点する。近いうちに必ずゴールすることを公約します」。1981年にサッカー女子日本代表が初結成されて以来、171試合の国際試合でアフリカ勢との対戦はない。不気味な相手だが、いまの日本なら優位に試合を進めるのは確実だ。

 312人の日本選手団の先陣を切った11日のスウェーデン戦。気温29度のパンテサリコ競技場が揺れたのは前半24分だった。主将DF磯崎のFKをFW大谷が頭で落とし、FW荒川が右足で先制ゴール。この一撃で、昨年のW杯準優勝の強豪を破った。

 サッカー女子日本代表の五輪初勝利。過去の対戦で1分け4敗だったスウェーデンに勝ったことで、何よりもE組1位突破が見えてきたことが大きい。あとはナイジェリアを倒すだけなのだ。

 「やったことがないアフリカ勢。だがチーム戦術は日本に劣る。われわれが普通にやれば負ける相手じゃない」と分析するのは上田監督。その通称は「スーパー・ファルコンズ」。チームは五輪前に約1カ月間、ドイツ南部のヴーテンブルグで集中合宿を行った。7月24日には世界王者のドイツに敗れたが1−3と健闘した。

 ただ、昨年のW杯はスウェーデン、米国、北朝鮮に3連敗で失点11。日本はこの3カ国と今年4月以降に対戦して、米国に△1−1、北朝鮮に○3−0、スウェーデンに○1−0と2勝1分け。確かにデータは「負ける相手じゃない」ことを証明している。

 しいて要注意選手を挙げるならFWアキデ。1メートル81、79キロという男子並みの体格とスピードを武器とする。しかし、沢がこのアキデと米国プロ・リーグ(WUSA)で戦ってきた経験があり、個人データは筒抜けだ。

 「今回はステップアップしてメダルの確率が高い。1点の重みは分かってます」。沢はスウェーデン戦にフル出場。故障していた右ひざの状態も良好だ。17歳で臨んだ96年アトランタ大会は3連敗で無得点。8年越しのリベンジを誓う沢が、日本列島に再び興奮を呼び起こしてくれる。

牧慈


★沢 穂希(さわ・ほまれ)
 1978(昭和53)年9月6日、東京・府中市生まれ。25歳。12歳で読売ベレーザ(現日テレ)入団。15歳で日本代表入り。95、99、03年とW杯3大会連続出場。96年アトランタ五輪出場。00年米国女子プロリーグ(WUSA)のアトランタ・ビートに入団。同リーグの活動休止に伴い、4年1月に日テレに復帰した。Lリーグ今季3試合4得点。代表通算86試合48得点で、いずれも歴代1位(得点はタイ記録)。1メートル63、57キロ。


 スウェーデン女子代表・リフォルシュ監督 「驚くことは何もない。日本がいいチームなのはわたしも選手たちも知っていた」

第1戦のヒロイン荒川★初戦のヒロイン・荒川は筋金入りのお守りコレクター

 スウェーデン戦のヒロイン、FW荒川(日テレ)を支えているのは15点にもおよぶ『お守り』だ。「においが染み付いている」というおばあちゃんの形見の腰巻きに、幸運のフクロウお守りや、愛犬の写真などを大事に入れて持ち歩いている。当然、アテネ五輪に持ち込んだ。他の選手もミサンガ(腕に巻くお守り)や神社のお守りを持参。これだけ『神様』に見守られていれば、勝ち進んでいくのは当然?

写真:第1戦のヒロイン荒川。実は相当なお守りコレクターだ

★歴史的勝利で決勝が見えた?

 日本が14日のナイジェリア戦に勝つとE組1位が決まり、夢のメダルへの視界が一気に広がる。準々決勝の相手はG組3位となり、予想される相手は豪州またはギリシャでともに格下。準決勝は、反対ブロックでFIFAランク1、2位のドイツと米国の激突が濃厚。日本の相手は順当なら中国とブラジルの勝者となるが、本命の中国は11日のドイツ戦で0−8で惨敗するなど精彩を欠いている。今の日本の勢いと実力ならば決勝進出も夢ではない。

★深夜でも異例の視聴率13・3%

 NHK総合で12日午前0時すぎから中継放送されたアテネ五輪サッカー女子、日本vsスウェーデンの平均視聴率は関東地区で13・3%、関西地区で8・4%に達したことがビデオリサーチの調査で分かった。瞬間最高視聴率は関東16・6%、関西10・2%だった。深夜の時間帯での視聴率としては異例の高さだった。

★アテネ五輪女子サッカー大会方式★

 出場10カ国。3カ国ずつ2組(E、F組)、4カ国1組(G組)の計3組に分かれて1次リーグ。E、F組の2位までと3位同士の成績上位チーム、G組の3位までの計8カ国が決勝トーナメントに進出する。準々決勝は20日から。

★アンケートで7割が「メダル取れる」

 なでしこジャパンはメダルを狙える!? インターネット検索サイト大手の「ヤフー」とリサーチ会社「インテージ」は12日、サッカー女子日本代表に関するモバイルアンケートを共同で実施。回答者1050人(男性518人、女性532人)のうち、日本が強豪スウェーデンから金星を奪った11日深夜の初戦を生放送で見た人は23・0%に及び、そのうち72・7%は日本がメダルを取れると回答したと発表した。金メダルが獲得できると予想した人は15・8%。

★米国は地元ギリシャに貫禄勝ち

 女子G組の米国は開催国ギリシャと対戦。テロ警戒で会場警備は厳しいものの、首都アテネから離れたクレタ島ということもあり、試合は落ち着いた雰囲気の中で進んだ。00年シドニー大会準優勝でFIFAランク2位。優勝候補に挙がる貫禄か、試合は3−0で圧勝した。ギリシャ国民は反米感情が強く、米国に得点されると観客の一部からはブーイングが起きる場面も見られた。

★V候補・中国は守備崩壊…世界女王ドイツに0−8

 女子F組で優勝候補同士の激突が一方的な結果に終わった。96年アトランタ大会準優勝の中国が、昨年W杯優勝のドイツに0−8大敗。張海涛監督は「前半の2失点の後、守備ラインを修正すべきだった。残念ながら攻撃的な策が間違いだった」と嘆くしかなかった。これまでの1試合最多得点記録は、中国がアトランタの1次リーグでデンマークから挙げた5得点。一転、失点のワースト記録を作ってしまった。

★新順位決定法は「フェアプレーポイント」

 五輪サッカー男女の1次リーグで、2チーム以上の勝ち点、得失点差、総得点が同じで当該チームの対戦成績も同じとなった場合、フェアプレーポイントで順位を決めることが11日、明らかになった。国際サッカー連盟(FIFA)の実施大会では史上初の試みとなる。参加チームは10点でスタートし、基本的に警告で1点、退場で3点を引かれる。

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