「“神の手”でも入れる!」大久保ゴール宣言
【テッサロニキ(ギリシャ)11日=佐藤春佳】五輪サッカー男子日本代表が12日(日本時間13日午前2時半キックオフ)、1次リーグ初戦のパラグアイとの一戦に臨む。先発濃厚なエースFW大久保嘉人(22)=C大阪=は「“神の手”でも、どんなゴールでもいいから入れたい」と全試合ゴール宣言。山本ジャパンがいよいよ、銅メダルを獲得した68年メキシコ大会以来、36年ぶりの夢に向かって走り出す。〔写真右:山本ジャパンが、いよいよ出陣! まずは打倒パラグアイ。その先に36年ぶりのメダルが待っている=撮影・鈴木健児。同下:神の手でも何でもいい!FW大久保は「1試合1ゴール」を目標に掲げた=撮影・鈴木健児〕
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キラキラ輝く瞳の中に強い自信が宿っていた。いきなりの大一番、パラグアイ戦を前に、大久保は『全試合ゴール』を宣言した。
「1試合1点必ず取りたい。あんな(神の手)んでもいい。どんなゴールでもいいから、とにかく入れたいッス」
例えたのは、ジーコ・ジャパンが劇的な優勝を遂げたアジア杯決勝の中国戦。決勝弾となったMF中田浩(鹿島)の“神の手”ゴールだった。とにかく、長方形のあのネットの中にボールを押し込みたい…。大久保はがむしゃらだ。
10日昼、突然のプレゼントがあった。パラグアイと呉越同舟の宿舎ホテル。そのパラグアイ選手を通じて小さな箱が渡された。青色と白色の横じまに、インカ帝国のシンボルといわれる「5月の太陽」を配したウルグアイ国旗の盾。手紙が添えてあった。
「パラグアイから、ヨシトの活躍を祈っているよ」。送り主はC大阪の元フィジカルコーチでウルグアイ人のホセ・カルロス・デ・レオン氏。現在、パラグアイでサッカーの仕事を続けている恩師から、地球を半周して届いたメッセージに心は熱くなった。
「いつもは1試合終わると集中力が切れちゃうけど、今回は気持ちが違う」。ドイツの直前合宿から絶好調を持続。スタメン組ビブスをつけた攻撃練習でも鋭いゴールを連発してきた。
『死のB組』突破へ。カギを握る大事な初戦に備え、山本ジャパンは10日夜、試合を行うカフタンゾグリオ・スタジアムを視察した。芝が35ミリまでのびたピッチ。山本監督が「昔の野球盤の“魔球”みたいにボールがキューッと曲がる」というクセ芝。サイドラインでボールが外に出ないこともあり、選手全員でピッチの感触を確かめた。
「イレギュラーがあったりするんで、芝の切れ目を見逃さないようにしたい」と大久保。誰より入念にゴール前のピッチ状態をチェック。細かい注意も忘れない。
「みんな自分自身と戦って競争してきたんだ。あとは楽しんでくれればいい」。山本監督はミーティングで穏やかな表情で選手に語りかけた。メキシコ大会銅メダルから36年の時を越え、山本ジャパンの最後の戦いが始まる。
★小野は4年前の“忘れ物”取りにいく
MF小野(フェイエノールト)は4年前の“忘れ物”を取りに五輪ピッチに立つ。2トップ下、単独指令塔位置で先発する。「シンジが1つ下がるとゲームを作れる」(山本監督)と、オプションの3トップではボランチに入ることが濃厚だ。すっかり溶け込んだ年下の選手を眺め、「いい形で大会に臨める。間違いなく充実してます」と白い歯を見せた。
◆GK曽ケ端準(鹿島) 「試合に向けてイメージは高まっている。芝など細心の注意を払って丁寧にやっていきたい」
◆DF田中マルクス闘莉王(浦和) 「芝に変化があるので注意しなければいけない。ここからは気合。全員で戦う気持ちでいく」
◆主将DF那須大亮(横浜M) 「いろんな人の思いがつまったキャプテンマーク。いい意味での責任感を感じたい」
◆FW平山相太(筑波大) 「パスのスピードとか意識しないといけない。体調は本番に合わせている」
★広山の助言「先制点奪われるな」
J1東京Vに移籍して4年ぶりにJリーグに復帰したMF広山が11日、チーム練習に合流後、パラグアイの攻略法を明かした。01−02年シーズンにパラグアイのセロ・ポルテーニョでプレーした経験から、「精神的に強いから油断しない方がいい。先制点を奪われるときつい。0−0でもいいわけですから」と改めて定評ある守備力に警戒を促した。さらに「カルドソはハンパじゃない。実力もずば抜けている」とオーバーエージ枠で出場するFWカルドソ(トルーカ)を要注意選手に挙げた。
★パラグアイの要注意人物★
パラグアイはオーバーエージ(24歳以上)枠でDFガマーラ(インターミラノ)、MFエンシーソ(オリンピア)、FWカルドソ(トルーカ)を招集した。中でも33歳のガマーラはA代表でも主将を務め、経験豊富で読みも鋭く、空中戦で強さを発揮する。ただ、チームは本番が近づくにつれてピリピリムード。練習会場から「パラグアイ人以外立ち入り禁止」と日本メディアを閉め出す日もあった。4日にはポルトガル(D組)との強化試合で0−5大敗。だが山本監督は「罠にはまるな!」と警戒を緩めていない。
★五輪サッカー男子日本代表の歴史★
初出場は36年ベルリン大会だった。当時は参加16カ国の決勝トーナメント。1回戦で優勝候補スウェーデンを3−2で破り8強に進出した。この1勝は「ベルリンの奇跡」と呼ばれる。68年メキシコ大会は1次リーグを突破して、3位決定戦で開催国メキシコを2−0撃破。獲得した銅メダルは現在でもアジア唯一のメダルだ。96年アトランタ大会はブラジルを1−0で破る「マイアミの奇跡」を演じたが1次リーグ敗退。00年シドニー大会は、32年ぶりのメダルが期待されたが8強止まりだった。
★C・ロナウドが五輪出場へ
ポルトガル・サッカー協会は10日、同国代表FWのC・ロナウド(19)の五輪出場にゴーサインを出した。「疲労と故障を理由に、所属先のマンチェスター・ユナイテッドが出場を見送るよう求めたため検査したが、問題はない」と発表した。
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