“上田マジック”「集大成ビデオ」で選手を鼓舞

 女子サッカーでなでしこジャパンが大金星。11日、強豪スウェーデンを破り、E組1位突破、そして夢のメダル獲得へ一気に視界が開けてきた。上田栄治監督(50)は試合前、就任から2年間の『集大成ビデオ』を見せて選手を鼓舞。期待に応えた乙女たち、本当に頼もしい。

 “なでしこ”たちが、ピッチで見事な花を咲かせた。上田監督は、満面に笑みを浮かべ、ヒロインたちを出迎えた。

 「すばらしい勝利だった。去年のW杯だったら勝つのは不可能。チームが進歩して勝てた」

 前半24分、FW荒川が決めた虎の子の1点を守りきっての白星。とてつもなく大きな五輪初勝利だ。相手は昨年のW杯準優勝で、FIFAランク4位(日本は13位)のスウェーデン。日本は過去1分け4敗と1度も勝ったことがない壁を、五輪開幕戦で打ち破った。

 「勝てない相手じゃない!」。試合前、上田監督は乙女たちに勝利の“暗示”をかけた。この日の午前、チーム全員で「自信がついて、盛り上がるビデオ」(同監督)を見た。上田監督が就任した02年8月からの2年間を約10分間に編集したもの。00年シドニー五輪切符を逃し、打ちひしがれたチームが、04年宿敵・北朝鮮を倒してアテネ五輪出場権を獲得。ビデオは「不安」が「自信」に変わるさまを劇的に映し出していた。

 7月のスウェーデン視察で上田監督は、敵の弱点も見抜いていた。「左サイドの弱さ」「DFラインは浅くスピードがない」「GKの足元の技術がない」など。暗示と正確なデータをもとに、DF磯崎主将ら守備陣が止めた。昨オフ、中田英がかつて在籍した現在セリエBのペルージャからオファーを受けたリュングベリ、スベンソンの世界最強FWを完封した。

 96年アトランタ大会3戦全敗、00年シドニー大会には出場さえできなかった日本女子。“上田マジック”で悲願の五輪メダルを目指し、新たな歴史をアテネに刻む。

協会は上田監督の続投望む

 ギリシャ入りした日本サッカー協会の大仁・女子代表委員長は10日、上田監督の契約が切れる五輪後について「やってほしいという気持ちは十分にある」と続投要請する意向を明かした。男子の指導者だった同監督の経歴から、結論は本人の意志を最大限に尊重する方針。また、平田GSは五輪後の女子代表について、強豪国との国際試合を増やし、本格的に強化を行うプランを明かした。


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