【サッカー】曲芸ゴールにぼう然…山本ジャパン1次で散る

イタリアMFデロッシの豪快なオーバーヘッドで先制され、またも1点差で敗れた 山本ジャパン、早々に終戦…。サッカー男子で日本は優勝候補のイタリアに2−3で敗れ、1次リーグB組最終戦を残して決勝トーナメント進出を断たれた。前半8分までに2点を先制されるなど格の違いをみせつけられ、『死のB組』からの生還は果たせず。68年メキシコ大会以来となる36年ぶりメダルの夢は消えた。〔写真:日本は前半3分に衝撃ゴールを奪われた。イタリアMFデロッシの豪快なオーバーヘッドで先制され、またも1点差で敗れた=撮影・奈須稔



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▼B組
イタリア
1勝1分
勝ち点4
3−1
0−1
日  本
2敗
勝ち点0


 世界は厳しく、そして、険しかった。終戦記念日の8月15日。日本男子サッカーが終戦した。

 前半3分、左クロスに飛び込んだMFデロッシが、空中で回転しながら左足でシュートを放つ。山本ジャパンにとって、最短時間での失点となる“曲芸ゴール”に、欧州を舞台に戦うMF小野までも、ぼう然と虚空を見つめていた。

 相手のサイド攻撃対策に、即座に4バックに変更した日本をあざ笑うように、同21分にはFWジラルディーノがゴールを奪った。昨季、所属のパルマ、代表で合計40得点を決めたエースの存在感。日本は、前半21分にMF阿部が22メートル芸術FKを決め、1点差に迫った。しかし、同36分に、再びジラルディーノがヘッドで追加点。ロスタイムに高松のヘディングで1点差にすがったが、そこまで。36年ぶりのメダルという夢が、ボロスの夜空に消え去った。

 36年ベルリン五輪の準々決勝で0−8大敗を喫した相手がイタリアだった。同大会でイタリアは初優勝。イタリアは、セリエAでも大半がレギュラーを張る、タレント軍団として、またも日本の前に立ちふさがった。これが世界基準−。68年ぶりの雪辱は、微塵に砕かれた。

 がけっぷちで迎えた試合前日の14日昼。ミーティングで山本監督は、5年前のことを熱く語った。コーチとして参加した99年4月世界ユース選手権(ナイジェリア)。小野、稲本、高原ら『黄金世代』で臨んだ大会も、日本は初戦カメルーン戦で1−2黒星を喫した。しかも、ロスタイムの失点による敗戦。この悔しさを、怒涛の5連勝での準優勝につなげた。

 「あの時に比べれば、オレたちのほうがずっと楽なんだぞ。あと2つ勝とうっ!! それだけだ」。山本監督の言葉に、小野も大きくうなずき「勝つしかない」と檄。全員の心に“奇跡”が現実味を帯びた。

 先発は、パラグアイ戦の2トップから3トップに変更。山本監督は前戦のスーツスから、カジュアルなチノパン、ストライプシャツに変えた。7月30日ベネズエラA代表で6試合ぶり勝利を飾った服装。パラグアイ戦での3得点のビデオも繰り返し見た。運をも味方につけるため、すべてはやり尽くした。

 「アテネ経由ドイツ行き」。36年ぶりのメダル、06年ドイツW杯を目標に、山本監督が言い続けてきた言葉がある。1次リーグ敗退は決まった。あと1試合。終わりなき夢へ、このままで終わることは許されない。

データBOX
 ▼日本が五輪でイタリアと対戦するのは、初出場した36年ベルリン大会以来。当時は地区予選はなくエントリーすれば出場できた。16カ国によるトーナメント戦。1回戦で優勝候補スウェーデンを3−2で破り「ベルリンの奇跡」を起こした後、準々決勝でイタリアに0−8大敗を喫した。同大会でイタリアは初優勝。日本は68年ぶりのリベンジはならず。
 ▼日本は1次リーグ制導入後、これまで64年東京大会から4大会に出場。決勝トーナメントに進出できなかったのは96年アトランタ大会だけだった。このときは2勝1敗ながら得失点差で涙をのんだ。過去に「3戦全敗」はなく、敗退は決まったものの、18日のガーナ戦は最後の意地の見せどころ。足踏みしている五輪サッカー男子の通算10勝目もかかる。


★阿部芸術FK弾も…

 脅威の右足を見せつけたのは阿部(市原)。0−2の前半21分、ペナルティーエリアのやや左、約22メートルからのFKを5枚のカベ越しに鮮やかにたたき込んだ。アズーリ経験をもつGKペリッツォーリが一歩も動けない芸術弾。7月7日に入籍したばかりの夫人のかおりさん(22)も「おめでとうと言いたい」とスタンドで声を震わせたが、あまりに早い終戦に試合後は言葉少なだった。

★テベス&サビオラが決めてアルゼンチン8強一番乗り

 14日にはC組の優勝候補アルゼンチンが2−0でチュニジアを下し、2連勝の勝ち点6で同組2位以内を確定し、一番乗りで準々決勝進出を果たした。A組は韓国が1−0でメキシコを下し、マリは2−0でギリシャに快勝した。韓国、マリが勝ち点4で並び、得失点差で上回るマリが首位に立った。

 アルゼンチンはFWテベスが前半39分にダイビングヘッドで先制。後半27分には、途中出場のFWサビオラが決めた。2試合で8得点。ビエルサ監督も「攻撃陣は一緒にいい仕事をしてくれている」と手放し。南米のサッカー王国なのに五輪で金メダルがない。テベスは「アテネに来た理由はひとつ。金メダルを勝ち取ること」と鼻息が荒い。


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