長嶋ジャパン「金」獲りの秘策!5番・ノリにバント

5番・ノリにバント 【パルマ(イタリア)10日=山田 貴史】野球五輪日本代表が地元・セリエA1選抜と対戦し、15−0と爆勝した。攻撃では5番・中村紀洋内野手(31)=近鉄=の犠打など大技&小技を織り交ぜ、投手陣も2試合連続のゼロ封リレー。“ゴールド打線”が完成した長嶋ジャパンは合宿を終え、11日、勇躍アテネへと乗り込む。〔写真:な、な、なんと! 二回、5番の中村が送りバント。金を獲るためなら、何だってやる=共同

日 本
(9)福 留
(6)宮 本
金 子
(8)高橋由
H8村 松
(2)城 島
H2相 川
(5)中 村
(7)
(3)小笠原
DH和田一
(4)藤 本
361411
投 手
和田毅
岩 隈
清水直
黒 田
三 浦
岩 瀬
 驚嘆の声があがった。在留邦人ら約100人のスタンドもビックリの二回。左翼線二塁打で城島が出塁した無死二塁の先制機。中畑ヘッドコーチが打席に向かう中村に耳打ちした。小さくうなずいたノリ。心が通じ合った瞬間だった。

 初球。立てていたバットを瞬時に寝かせると、三塁線へ絶妙のバント。三塁に進んだ城島は相手投手の暴投で難なくホームを陥れた。

 「うまくできてよかった。こういう野球を勝つためにやりますよ。緊張したけどね」

 公式戦では99年4月23日(対日本ハム)以来の“大仕事”。自己犠牲の精神を中村までが体現した。この1点で目が覚めた打線は三回に犠打&犠飛もからめて6得点。高橋由、小笠原の一発などで終わってみれば15点の爆勝締めでアテネ合宿を終えた。

 これぞ“ゴールデンオーダー”の本領だ。本来、5番の福留を1番に定着させて、長嶋監督が望むダブル・クリーンアップ制が実現した。福留から中村までがワンセット。さらに6番・谷から福留に戻る後半のセット。時に素早く、時に激しく。大砲・ノリが犠打を惜しまない姿勢こそ、長嶋監督の魂を継承する精鋭24人の神髄だ。

 「序盤の攻撃でノリが送りバントを成功した。素直にやってくれたことが本当にうれしかった。100点をあげてもいい最高の合宿でした」

 長嶋監督の留守を預かる中畑ヘッドコーチも“金”への手応えを感じ取った。長嶋ジャパンは11日、いよいよ決戦の地・アテネへと乗り込む。紺碧(こんぺき)の空の下、ポール中央に必ず日の丸を掲げてくれるはずだ。

◇国際親善試合(10日、イタリア・パルマ)
イタリア・セリエA1選抜
日 本 代 表×15
(イ)メディナ、ベントゥラ、サルシー、コラディーニ、ホーン−イルミンティ、
アンティーグァ、ガスパッリ
(日)和田毅、岩隈、清水直、黒田、三浦、岩瀬−城島、相川
本=高橋由、小笠原(以上日)

★和田が2回4奪三振無失点

 先発3本柱の一角、左腕エースの和田(ダイエー)は先発で2回1安打無失点、4奪三振と順調な仕上がりをアピールした。合宿直後こそ大野投手コーチから投球フォームの矯正を受けていたが「ボールの感覚もつかめたし、時差も取れた。あとは本番で投げる日に持ち味を出せるように調整していきます」と収穫を口にしていた。

★小笠原が4安打2打点の大暴れ

 7番の小笠原が5打数4安打2打点の大暴れ。七回には右翼越えに大きな一発も放った。「ホームランは狙っていませんから。でも、いい形で打てた。本番もチームの気持ちを一つにして死ぬ気でやります」と、気持ちを引き締めた。

★星野SDが金メダル獲得へ太鼓判

 現地で取材にあたった星野前阪神監督(現シニアディレクター)も金メダル獲得に太鼓判を押した。小技も絡めた“ゴールド打線”に「確かにつながっとったな。本番ではそうホームランはでんからな。金(メダル)を獲れる。そんな雰囲気はあるよ」とニンマリ。多くの予言を的中させてきた名将の言葉だけに心強いぞ。

 ◆主将の宮本(ヤクルト) 「野球ファンのみなさんの期待に応えられるように金メダルを持って帰りたい」

 ◆3打数2安打の城島(ダイエー) 「初めての五輪で戸惑いもあるだろうけど、不安を吹き飛ばして全力でやりたい」

 ◆2番手で2回無安打の岩隈(近鉄) 「国際球対策は大丈夫。ストライクゾーンは広く感じました」

 ◆3番手で2回3奪三振の清水(ロッテ) 「すべての球種を試すことができた」

★カナダは投打の軸が参加せず

 日本に朗報? 米大リーグのロッキーズはアテネ五輪の野球カナダ代表で3A所属のジェフ・フランシス投手(23)を五輪に派遣しないことをカナダ側に伝えた。AP通信によると、左腕の同投手は間もなくメジャーに昇格する見通し。五輪ではエースとして期待され、1次リーグの日本戦(20日)など重要な試合での登板が予定されていた。カナダは主砲のジャスティン・モルノー一塁手(23)もツインズに昇格したことで、本番では投打の軸を欠くことになった。

共同

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