長嶋ジャパンがパルマ入り…“清のカーテン”で金獲りへ
アテネ五輪の野球日本代表チームが5日、成田空港を出発し、合宿地のイタリア・パルマ入りした。6日からスタートする合宿では、練習の前半を非公開とすることを中畑清ヘッドコーチ(50)ら首脳陣が決定。“清のカーテン”で史上最強プロ24戦士をライバルたちから隠し、本気モードで金メダル獲得を目指す。〔写真右:成田空港で大勢のファンに見送られながら出発した和田(左)、松坂(中)ら日本代表。同下:長嶋監督から前日に届けられた日の丸を披露する中畑ヘッドコーチ=ともに撮影・高橋朋彦〕
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金メダルのためには、なりふり構っていられない。12時間のフライトに1時間半のバス移動で、合宿地パルマに向かった日本代表。6日からの合宿の練習予定が発表され、その中に記された『非公開』の3文字が、本気度を物語っていた。
「練習の前半部分は毎日、非公開にします。その時間にサインプレーや確認事項を徹底させる」
脳こうそくのリハビリで五輪を断念した長嶋茂雄監督(68)に代わり、指揮を執る中畑ヘッドが、敢然と引いた“清のカーテン”。プレーヤー全員がシステマチックに動き続けるサッカーなどでは、よくある話だが、野球の練習で、しかも合宿中は毎日、非公開とされるのは異例。
「日本のプレスだけならいいけど、他の国の関係者も来るだろう。他国への情報漏れは防ぐ」と高木守備・走塁コーチ。7月13、14日のキューバとの壮行試合では松坂、上原、和田、岩瀬らを意図的に温存した。対戦相手のデータが入手しづらい国際試合だけに、外敵の目を遮断。本番では日本の緻密なサインプレーも大きな武器になるだけに、これらを隠し通そうというわけだ。
これだけ執念を燃やすのも、直前になりアテネ行きを断念した長嶋監督の無念さを、誰もが痛感しているから。その長嶋監督が現役だった巨人のV9時代、当時の川上哲治監督が、常勝の原動力としたのが、取材規制で情報漏れを防ぐ“哲のカーテン”だった。
「中途半端な気持ちでは金メダルは獲れない。とにかくチーム一丸となって、成し遂げる」
極限まで士気を高め、日本を後にした中畑ヘッド。史上最強のプロ24戦士が、強力な鎧に身を守られ、アテネの地で世界を震かんさせる。
★ミスターの魂もパルマに
長嶋監督の思いが込められた2つの品も、パルマに持ち込まれた。「ユニホームが一番、精神的に伝わる。ベンチの監督が座るイスにかけ、一緒に戦うんだという環境をつくりたい」と中畑ヘッド。また前日、長嶋監督の長男、一茂さんから手渡された『3』と記された日の丸の旗も、ベンチの壁かロッカールームに飾られる予定。
★合併反対のミサンガ装備
日本代表24選手のほとんどが、出発前の記者会見場から腕にミサンガを巻いて登場した。ミサンガは近鉄とオリックスの合併反対などを訴えるもので、ペナントレースでも12球団の選手が巻いている。前日、労組選手会の松原事務局長から宿舎に届けられたばかりだが、移動便に搭乗前から装備。主将の宮本は「合併で揺れているので、明るい話題を、金メダルを獲らないといけない」と日本球界のためにも活躍を誓っていた。
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