長嶋監督アテネ行く!主将・宮本、4番・城島を指名
ミスターは行く! 脳梗塞(こうそく)でリハビリ中のアテネ五輪野球日本代表・長嶋茂雄監督(68)の『アテネ参戦シミュレーション』が練られていることが25日、分かった。この日、都内のホテルで出場24選手の発表が行われ、同監督は欠席したものの、関係者を通じて主将にヤクルト・宮本慎也内野手(33)、4番にダイエー・城島健司捕手(28)を指名するなど、すでにJAPANを陣頭指揮。金メダル奪回に向けたミスターの挑戦がいよいよ本格化する。〔写真右:この勇姿がまた見られる? 長嶋監督にはやっぱりユニホームが似合う。同下:会見に臨んだ中畑ヘッドコーチ。長嶋監督の熱い思いを伝えた=撮影・斎藤浩一〕
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明らかにミスターはそこにいた。華々しくライトアップされたひな壇には中畑、大野、高木の3コーチと日本代表編成委員会・長船委員長の4人。都内の自宅で精力的なリハビリを継続中の長嶋監督の姿はない。ただ、発表された長嶋JAPAN24戦士に、そして暗いニュースの続く野球界に向けた熱いメッセージを寄せた。
「日本野球界が総力をあげて代表チームを支えてくれています。また、日本中の野球ファンの熱い思いが高まっていることも私は十分に承知してます。責任の重さに負けることなく、『For the Flag』を合言葉に聖地・アテネの空に日の丸を掲げてくれると信じています」
代弁した長船委員長も、緊張と興奮から声が上ずるほど。ミスターの意思がアテネ参戦にあることの裏づけだった。
日本中が待ちわびるミスターの復帰。同委員長はこの日、アテネ参戦シミュレーションを明かした。(1)壮行試合(7・13、14 対キューバ=東京ドーム)でのベンチ入り(2)アテネ予選(8・15)からの参戦(3)アテネ準決勝(8・24)からの指揮−の3パターンだ。
「壮行試合にはなるべくなら行きたい、と話している。意欲的ですよ」と同委員長。壮行試合については、7月10日前後に担当医などと協議し、同監督の意思を確認することになった。
7月中旬の復帰が白紙の場合にも「直前合宿? そんなクソ暑いとこには行かねえな。(夏の)甲子園が始まったころでもいいんじゃないか」とイタリア・パルマでの合宿を回避、ギリギリまで見極めた上で判断する方針だ。「オレも準決勝から(現地に)行くんだ。できたら一緒に行こうよと話している」と同委員長は希望を語った。
すでにミスターの中で、五輪の戦いは始まっていた。「キャプテンは宮本君でと、今朝も長嶋さん(の関係者を通じて)から連絡があった」と直々の指名であることを明かした。4番についても中畑ヘッドコーチが「予選の時から城島君の役割を監督も理解しています。城島君も自覚しているはず」と打線の中心に据えることも決めた。
「アテネでの勝算? ここに監督がいたら、間違いなく(表彰台の)真ん中に日の丸を立てるといわれるでしょう」。中畑コーチがミスターの胸中を代弁した。
現地への参戦は飛行機移動、真夏の試合など、体に負担のかかる要素が多いため、家族は「無理をしてほしくない」が本音。それでも最終判断はミスターだ。長嶋JAPANは必ず、聖地の太陽に負けない笑顔と金メダルを見せてくれる。
■長嶋監督のコメント(全文) 本日発表する日本代表選手は、私や各コーチがキャンプ、オープン戦そしてレギュラーシーズンと視察し、幾度もミーティングを重ねて決定に至りました。日本野球界が総力をあげて、この代表チームを支えてくれています。また、日本中の野球ファンの熱い思いが高まっていることも、私は十分に承知してます。この選手たちは、責任の重さに負けることなく「For the Flag」を合言葉に、オリンピックの聖地、アテネの空に日の丸を掲げてくれると信じています。日本野球界の方々に感謝すると共に、日本中の野球ファンの皆様には、アテネで躍動する野球日本代表チームに、熱い応援をお願いいたします。
2004年6月25日 アテネオリンピック野球日本代表チーム 監督 長嶋茂雄 |
★ヤクルト・宮本「銀じゃ何にもならない」
長嶋監督の主将指名にヤクルト・宮本は悲壮な決意を見せた=写真(右)。2月に浦添キャンプを視察した監督からすでに“内示”を受けていたそうで「プロでいく以上、負けは許されない。銀じゃ何にもならない」。昨年11月のアジア予選では睡眠薬を必要とするほどの重圧を経験し、日の丸の使命感を実感している様子だ。
右ふくらはぎ筋膜炎で5月半ばまで約1カ月離脱したが「そういうことも見た上で、選んでいただいてうれしい」。長嶋監督については「一緒に戦いたいけど、ご家族のことを考えると」と複雑な心境ものぞかせた。
★ダイエー・城島「金獲りは使命」
長嶋監督から4番に指名されたダイエー・城島は、五輪へ向けて責任感を口にした=写真(左)。「オールスターに選ばれたような晴れ晴れとした気持ちとは違う。一番素晴らしい色のメダルを取れるように。それが使命だと思っている」。昨年11月のアジア予選(札幌)でも4番を務めた日本代表の主砲は、近鉄戦の二回に左翼3階席へ先制の24号ソロ。特大弾で代表選出を自ら祝った。
(大阪ドーム)
◆アテネ五輪日本選手団・竹田恒和団長 「日本で一番人気の高いプロ野球選手で編成され、国民の期待も本当に大きい。長嶋監督の気持ちをチームに浸透させ、ぜひ金メダルを取ってほしい」
【ミスターのアテネへの戦い】
★4月12日 都内の病院を退院。長男・一茂氏は「これからのリハビリの道のりの方がはるかに長く、時にはつらいものになると思います」とアテネの指揮に見通しが立っていないことを明らかに
★同19日 中畑コーチらがアテネ視察を終え、帰国。同コーチは「(長嶋監督に)撮影したビデオ映像で報告する」
★5月10日 長船委員長が陣容を変更しないことをスタッフ会議で確認。「変えるつもりは毛頭ない。最終決定? それでいい。(アテネには)背負ってでもいくから」
★同31日 スタッフ会議を終え、長船委員長が「長嶋クンは(日本代表の)ユニホームを着る練習をしている。早く治って一緒に行こうよと言いたい」
★6月4日 一茂氏が会見。「私の気持ちは前回の会見と同じ。無理をしてほしくない」としながら「アテネに行くか、行かないかは本人が判断できる。ギリギリまで待ってあげたい」
★同16日 中畑コーチが日本オリンピック委員会事務局を訪問。「わたしは長嶋監督の代理」
| ■日本代表・今後の日程■ |
| 月 日 | 予 定 |
| 7・13 | 壮行試合(キューバ) |
| 14 | 〃 |
| 21 | IOC(国際オリンピック委 員会)エントリー締め切り |
| 8・4 | ホテル集合(千葉県成田) |
| 5 | イタリアへ出発 |
| 6 | イタリア・パルマ直前合宿 |
| 11 | アテネ入り |
| 15 | 予選リーグ開始 |
| 24 | 準決勝 |
| 25 | 決勝&3位決定戦 |
| 27 | 帰国 |
| 【注】日付は現地時間 |
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