長嶋さんが退院…完全復帰へ本格リハビリ開始

長嶋さん 脳梗塞(こうそく)で都内の病院に入院していたアテネ五輪野球日本代表監督・長嶋茂雄氏(68)=巨人終身名誉監督=が12日朝、退院した。3月4日に東京・新宿区の東京女子医大病院に入院してから40日目。ミスターはこの日からリハビリ施設に移り、本格的なリハビリに取り組みながら復帰をめざす。〔写真:入院40日目にして、ミスターが晴れて退院。これから本格化するリハビリも、がんばってください!

 3月4日の衝撃的な入院から40日。ミスターがついに、病床を後にした。長嶋氏はこの日早朝、家族と球団関係者に付き添われて、3月26日に転院していた都内の病院を退院した。

 それを受けて巨人・原沢敦広報部長は、この日夕、東京・神田錦町の球団本部で会見。退院の理由について「ここ1週間、心房細動の発生がなく、正常な脈を維持しており、投薬以外の治療の必要がなくなった」と発表した。

 1週間前までは心房細動が繰り返し発生していたが、この1週間は発生がなかった。さらに投薬量を減らしても異常がなくなった。そのため、入院したまま24時間、医師の観察下で内科的治療を行う必要がなくなった、と判断された。

 40日間の入院生活を終え、今後はより本格的な機能回復のためのリハビリに入る。そのため長嶋氏は退院後、自宅には戻らず、そのまま都内のリハビリ施設へ。さっそく、両腕でつかまれる平行棒を使っての歩行訓練などに取り組んだ。運動、言語を中心にしたリハビリは、病院では午前、午後1時間程度だったが、今後は3、4時間と大幅に長くなる。

 もっとも、ミスターにとってはこれからが本当の復帰へむけての闘いだ。長男の一茂氏は「これからのリハビリの道のりの方がはるかに長く、時にはつらいものになると思います」とコメント。アテネ五輪での日本代表指揮に見通しは立っていない状況は変わらない。

 最近は、午前8時ごろからメジャーの野球中継、夜には巨人戦をテレビ観戦するのが日課になっている。前日11日のヤクルト戦(東京ドーム)で4連勝し、開幕3連敗を乗り越えて首位タイに立った堀内巨人には「よしよし、それでいい」とホッとした表情を見せていたという。巨人の好調も、ミスターの回復を後押ししているようだ。

 アテネ五輪の野球日本代表は、15日に中畑ヘッドコーチらが現地視察に出発する予定。5月には数度のスタッフ会議で現在の36選手からの絞り込みに入る。8月15日の予選リーグ初戦(対イタリア)まで4カ月。ミスターは最後まであきらめず、厳しいリハビリに挑む。

 ◆長男の一茂氏 「退院はひとつの区切りであり、わたしもほっとしていますが、一日も早く復帰できるように家族全員で支えていきたいと思います」

★渡辺オーナー「結構なことだ」

 巨人・渡辺オーナーはこの夜、都内ホテル内の和食レストランで夕食をとった後、ミスターの退院について、「結構なことだな。大丈夫だ」と喜びを口にした。しかし、アテネ五輪野球日本代表の指揮など、今後に関しては「先のことは言わんがな」と言葉を濁して、帰りの車に乗り込んだ。

★王監督もホッ「静かに見守りましょう」

 ミスターの退院を聞いたダイエー・王監督は「いい方に向かっているから、そういうことになっているでしょう」とホッとした表情。これまで見舞いを自粛しているが、「今まで通り静かに見守りましょう。すぐによくなる。回復に全力を注げるよう、周りも状況をつくってあげよう」と、周囲も含めて“静観”の必要性を訴えた。

昭和大学病院で救急医学・脳神経外科を専門にする有賀(あるが)徹副院長(53)
 都内の病院でリハビリをしていると聞いていましたが、施設で本格的にリハビリに努めるため退院したということは、ゴール(回復)に向け、ひとつの区切りをつけるということなのでしょう。都心を離れ、静かな環境の中、家族と一緒に集中してリハビリに取り組むことも考えられます。

 医学的には『退院』というより、『転院』という言葉がふさわしいと思います。リハビリの過程で施設を変えることは考えにくいのですが、患者の中には、社会生活に戻っていくために器具などを使う必要に迫られ、その準備のため転院する例もあります。長嶋さんの場合、長期間の療養を覚悟して必ず回復するという、強い意志からの『退院』なのでしょう。(談)

ミスター入院からの経過

 ★3・4  都内の自宅でめまいを訴え、新宿区の東京女子医大病院に入院。検査の結果、「脳卒中の疑い」

 ★3・5 「左大脳の中程度の脳梗塞(こうそく)」と発表。関係者を通じて「私がいなくても選考会議を」と病床から五輪スタッフ会議の決行を“陣頭指揮”

 ★3・6 「脳血流シンチグラフィー」検査を実施し、良好な所見。長男・一茂氏も、初の見舞客となった本紙専属評論家・大久保博元氏に「超人的回復だよ」と明かした

 ★3・9 初歩的なリハビリ開始。看護師に「おはよう」と声をかける

 ★3・11 入院から1週間、主治医らが会見。「最も危険な状態はクリアできた。長い目で見守ってほしい」

 ★3・25 中畑清・日本代表ヘッド兼打撃コーチがミスターから「あと2カ月で戻る」とのメッセージを受け取っていたことを明かす

 ★3・26 本格的なリハビリ開始のため、都内の別の病院に転院

 ★3・31  五輪日本代表1次登録リストに監督として登録


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