ノムさん、ミスターにエール「五輪はプロ最強布陣で」

野村監督と野間口 『2003社会人野球ベストナイン表彰式』が22日、都内のホテルで開かれ、シダックス・野村克也監督(68)がアテネ五輪はプロ中心のベスト布陣で臨むべきと長嶋茂雄・日本代表監督(67)にエールを送った。代表入りが注目されるシダックス・野間口貴彦投手(20)に関しても「まだプロの即戦力投手じゃない」と一刀両断。アマ球界に義理立てするだけの選出には拒否の構えを見せた。〔写真右:初のベストナインに選ばれた野間口(右)を乾杯で祝福する野村監督。同左下:レスリング全日本選手権にかけつけた野球日本代表・長嶋監督

野球日本代表・長嶋監督 ミスターに贈る、これが野村流毒舌エールだった。アテネ五輪の本選ではあくまで実力主義を貫け。野間口の代表入りに興味を示す日本代表・長嶋監督に対して、ノムさんが物申す、だ。

 「野間口の実力は(長嶋監督は)きっと分かってないでしょう。プロには野間口よりもいい投手がいる。アマへのお義理だったら(日本代表には)出せないです」

 言葉は辛らつだが、その真意は実力主義、プロを中心としたベストメンバー編成の勧めだ。

 長嶋監督は五輪本大会に向け、アマ球界から明大の本格派右腕、一場ととともに、野間口の代表入りについても関心を示している。夏の都市対抗決勝を視察した際も「野間口クンは楽しみ」と高く評価していた。

 とはいえ、自軍のエースである野間口の実力は誰より野村監督が一番分かっている。「野間口はまだ(代表の)条件がそろっていない。コントロールがないのが致命的ですよ。アマは見逃してくれるけど、プロはそうはいかない」。

 来年の都市対抗は五輪本選直後の開催という超過密日程。シダックスにとってはエースの日本代表入りはチームに与える影響も小さくはない。ただ、野間口の代表入りに待ったをかける野村監督の理由はあくまで実力主義という1点のみ。もちろん、野間口が実力で文句なしの代表入りを果たせば、快く送り出す覚悟はできている。

 アテネ五輪での金メダル獲得への思いは長嶋監督同様に熱い。だからこそ「余計な気遣い、気配りは無用」。野村監督は今後もミスターに毒舌エールを送り続ける。

★日米決戦実現を訴える

 野村監督が来季2年目を迎える社会人監督として2つの目標を掲げた。ひとつは野球人気の底辺拡大。サッカー界をライバルに挙げ「私たちの時代のように、素材のいい子供が、まず野球をやる環境を作ることが必要」。また、子供に夢を与えるためのワールドシリーズ開催を提唱。「日本は米国に対しても、失点を許さない野球はできる。巨人の上原がメジャーにいけば簡単にエースになれる」と日米決戦実現を訴えた。

千代田区

 ◆長嶋茂雄・日本代表監督 「野間口は社会人でナンバーワン投手ですからね、来年3月の社会人東京大会はぜひ見に行きたい。それから明大の一場。この2人は今見ておきたい投手ですねぇ」

 ◆シダックス・野間口投手 「アテネ五輪? もし代表に選ばれていける環境にあればいきたい。ただ、都市対抗もあるのでじっくり考えないといけない。選ばれたら監督と相談しながら考えたいです」

★年対抗日程を再調整

 全日本アマチュア野球連盟の山本会長は、アマ選手が代表入りした場合、来年の都市対抗の日程を再調整する考えを示した。アテネ五輪本選は8月15〜25日で都市対抗が27日開幕となっているが、「日程をずらすことはいくらでもできる」と明言。都市対抗1回戦は6日間の日程で行われるが、シダックスの試合を最終6日目になるよう抽選で便宜を図るなど、五輪疲れを少しでも解消させたい意向だ。

★ベストナイン表彰式

 2003社会人野球ベストナイン表彰式が行われ、投手部門のシダックス・野間口ら7選手が初受賞した。また、39歳でDH部門に選ばれたシダックス・キンデランは史上最年長受賞となった。

社会人ベストナイン
位置 選 手 所 属
投 手 野間口貴彦 (20) シダックス
捕 手 高根沢 力 (30) 三菱ふそう川崎
一塁手 西郷 泰之 (31) 三菱ふそう川崎
二塁手 高橋 賢司 (28) NTT東日本
三塁手 玉城  一 (29) NTT東日本
遊撃手 伊藤 祐樹 (31) 日産自動車
外野手 鈴木 貴光 (28) 日立製作所
吉浦 貴志 (24) 日産自動車
山内 弘一 (27) 三菱自動車岡崎
D H O・キンデラン (39) シダックス
【注】回は受賞回数、西郷は外野手で1度受賞


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