ミスター「直筆日の丸」「3番ユニホーム」殿堂入り

ベンチの奥で日本の戦いを見守った、長嶋監督のユニホームと日の丸 直筆ユニホーム“殿堂”入り。銅メダルを獲得した野球日本代表の象徴ともなった長嶋茂雄監督(68)の背番号「3」直筆日の丸とユニホームが野球体育博物館(東京都文京区)に寄贈されることが26日、明らかになった。また、同監督用にレプリカ銅メダルも製造される予定。25日夜の表彰式に参加した同代表は27日、成田着の日航機で帰国する。〔写真:ベンチの奥で日本の戦いを見守った、長嶋監督のユニホームと日の丸=撮影・尾崎修二。同下:月桂冠を頭に、照れ臭そうな松坂=左=と上原=撮影・尾崎修二



松坂と上原 ミスターの魂が受け継がれる。銅メダル獲得から一夜明け、中畑ヘッドコーチが極上エピソードを披露した。

 「監督の直筆日の丸とユニホームを野球博物館に飾ってもらうように、現在調整中です」

 離日直前の4日、長男・一茂氏が持参したミスター直筆の背番号「3」が入った日の丸。大会中はユニホームとともに常にベンチに掲げられ、試合前に選手らは手を触れて闘魂を注入していた。

 結果は銅メダルに終わったが、長嶋監督の『ファア・ザ・フラッグ』の精神は見る者を感動させた。「ぜひ頂きたいですね。当然、受け入れさせていただきます」と同博物館の小林二三男事務局長も感激の面持ちだ。

 一方、激闘を終えた選手らは25日深夜のメダル授与式に出席。銅メダルを首からかけられた。悲願のメダル獲得に松坂は「うれしい。いろいろな思いがありましたから」と感無量。中村も「金より重い。ここまで4年かかりましたから」と笑顔を爆発させた。コーチ陣にメダルはないが、野球機構側はレプリカの作製を予定。長嶋監督にも渡される手はずだ。

 24戦士は26日に帰国の途につき27日、日本の地に舞い戻る。

山田貴史


★中畑清ヘッドコーチの主張

 選手もわれわれスタッフもいい経験をさせてもらった。天然芝で屋根のない球場。バント処理など人工芝に慣れてきた者にとっては、対応するのが難しかったと思う。でも、本来の野球のスタイルはこれだと思う。

 日本は戦術と経験は持っている。しかし、かつての経験を勝負に生かし切れたかといえば、その部分ではゼロだった。あとは環境も含めた戦術。9戦全部勝つという勝利へのこだわりが非常に強かった。しかし、世界のシステムの中で負けてもいいという状況を判断できるかどうか。チーム全体で共通の認識の下で捨てゲームを平気で作るようなことができないと、9試合は持たない。

 チーム構成もそう。捕手2人というのは、ブルペンも含めると少ない。今回の反省を報告書に書けと言ったら書けるよ。次の世代につながるように、集まれる(議論の)場所を持ちたい。

(26日、選手宿舎で語る)


★キューバ2大会ぶりの金

金メダルに輝いたキューバのナイン 決勝はキューバが豪州を6−2で破り、96年アトランタ大会以来2大会ぶり3度目の優勝。審判の判定をめぐり豪州はディーブル監督、キューバもコーチが退場処分を受ける、異様なムードの試合となったが、四回にセペタの2点本塁打で先攻したキューバが、2−1の六回に5安打を集め4点を追加。豪州を突き放した。

 苦闘を乗り越え、キューバが金メダルを奪回した。エース松坂を投入した日本に五輪初黒星を喫し、1次リーグは2位。準決勝のカナダ戦では、八回に6点を奪って逆転勝ち。初めて決勝に進出した豪州との接戦は、六回の集中打でしのいだ。

 後味の悪さも残した。2点を先制した直後、豪州攻撃の四回裏。二死一、二塁と、一打逆転のピンチで、中堅タバレスがフェンス際の大飛球を捕球。しかしテレビ映像では1度落球したボールが外野フェンスに当たり、再びグラブに入った場面が映されていた。

 猛抗議する豪州監督に退場が告げられると、スタンドからは激しいブーイング。その後、ストライクの判定に不満を持ったキューバ三塁コーチが球審に暴言をはいたとして、この試合2人目の退場処分を受ける場面もあり、五輪では珍しい荒れた試合となった。

 試合後、先制2ランのセペタは「国のため、家族のため勝たねばならなかった」と胸を張った。決勝で米国に敗れた00年シドニー大会以降、リナレス(中日)ら中心選手が代表引退、エースのコントレラス(ヤンキース)の亡命と世代交代しながら奪還した金メダル。執念で王国再建を果たした。

写真:金メダルに輝いたキューバのナインは、国旗を掲げてグラウンドを1周した=撮影・尾崎修二

 ◆“誤審”に泣いた豪州・ディーブル監督 「金メダルをかけた試合なのに嘆かわしい」

 ◆元キューバ代表の中日・リナレス 「最後の準決勝、決勝でうまく戦えたね。きのうはテレビで見ていた。とてもうれしいよ。自分にとっても励みになる」

★星野SDもドッとお疲れ

 阪神の星野SDは25日、日本−カナダの3位決定戦と、キューバ−豪州の決勝戦のテレビ解説を務めた。自身としては初の“ダブルヘッダー”。「表彰式を見ると辛いな。本当に、今回はチャンスやったと思う。オレも、今までの疲れがいっぺんに出たよ」。26日、帰国の途に就いたが、「当分は野球の仕事はしたくない」と語るなど、ショックを隠せなかった。


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