【野球】打球直撃も松坂熱投、打線も3発五輪キューバ戦初勝利

松坂 野球1次リーグの日本はキューバに6−3で勝ち、3連勝を飾った。野球が正式競技になった92年バルセロナ大会以降、五輪で日本がキューバに勝ったのは初めて。目標の金メダルに弾みをつける白星となった。

 日本は先発の松坂大輔(西武)が好投。4回に打球が右腕を直撃するアクシデントでヒヤリとしたが、その後も150キロを超えるストレートの威力は衰えず、九回に3点を奪われたが、石井弘寿(ヤクルト)につないで後続を断った。

 打線も和田一浩(西武)城島健司(ダイエー)中村紀洋(近鉄)の3本塁打などで着実に加点して快勝。96年アトランタ大会決勝、前回シドニー大会準決勝などで敗れ、五輪ではこれまで5戦全敗だった宿敵を倒した。

写真:キューバ戦に先発し、9回途中まで3失点と好投した松坂=野球センター(共同)

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◆打球直撃にも衰えない闘争心−8つの「0」並べた松坂

 プロ最強軍団が最初のヤマ場として目標にしてきたのがこの一戦。日本がキューバに国際主要大会では3年ぶりの勝利を挙げ、1次リーグ無傷の3勝目をもぎ取った。

 2大会連続の五輪舞台で松坂が西武の先輩、和田一の本塁打、城島と中村のパの主砲の2連発にも勇気をもらい、ライバルの前に立ちふさがった。四回に鋭いライナーが右腕を直撃するアクシデントがありながらも「大丈夫、投げます」と志願し、その後も闘争心は衰えなかった。

 日本球界初のキューバ戦完封勝利投手にはなれず、完投も逃した。「九回にああいう形で交代することになり、自分に腹が立った」と納得顔とはいかなかったが、チームの勝利は素直にうれしい。「勝てばいいんです」と笑みを漏らした。

 プロアマ合同チームで臨みながら、メダルなしの惨敗を味わったシドニー五輪に、中村とともに出場。「リベンジを」と語る中村とは、やや考え方を異にして「リベンジや雪辱とは考えていない」と話す。プロとしての実力を培ったシドニー後の4年間の自身の成長を、五輪で強敵相手に試したい気持ちが先行している。

 アテネ入り直前のイタリア・ミラノの空港で話してくれた五輪へのモチベーション。「国と国との戦いに勝ちたいというのもあるが、個人的に(相手に)勝ちたいという方が強い」との思いを、電光掲示板に八回まで並べた8つの「0」という形で表現した。(共同)

◆若き右腕に大きな援護−パの長距離砲3人

 野球のキューバ戦で、若き右腕に勇気を与え、相手を追い込んだのはパ・リーグの長距離打者3人だった。和田一、城島、中村がオデリンから次々と本塁打を放ち、勝利への流れをつくった。

 和田一は西武の後輩、松坂に先制点をプレゼントした。五輪3試合、8打席目にして出た二回の初安打が、左翼フェンスを越える2ラン。DHとして「打つことで貢献しなければ」との思いが空回りしていた最初の2戦から一転して「思い出に残る大事な本塁打」と笑顔を隠さなかった。

 リード面でも松坂を支えた城島は、四回の先頭で左翼のはるか後方へ。遠慮がちに「大輔(松坂)が、いい援護と言ってくれるなら、うれしい」と話した。城島に続き、左中間に低い弾道で2者連続の一発を放った中村は、シドニーでは松坂とともに屈辱を味わった。「前回はキューバに勝てなかったからね」と、してやったりの表情だった。

 中畑ヘッドコーチは「(投打ともに)キューバに対抗できることを証明してくれた」と、しきりにうなずいていた。(共同)


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