マラソンコース乱入男に執行猶予付きの禁固1年と罰金刑
男子マラソンで、前代未聞のハプニングが発生だ。29日の同種目でトップを独走していたバンデルレイ・デ・リマ(35)=ブラジル=が36キロ付近に差しかかった瞬間、男がずさんな警備をかいくぐってコースへ乱入。体当たりで歩道に押し出した。デ・リマはこの行為でリズムを崩し、3位となった。当局によると、男はアイルランド出身の50代後半の自称「元司祭」と判明したが、発祥の地に戻った五輪は“汚点”を残して幕を閉じた。裁判所は30日、執行猶予付きの禁固1年と罰金3000ユーロ(約40万円)の判決を言い渡した。
〔写真:沿道から飛び出した男にコースから押し出され、再びコースに戻るブラジルのデ・リマ=共同〕
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閉会式が華やかに催されていたパナシナイコ競技場の舞台裏。厳しい表情の国際陸連(IAAF)幹部が慌ただしく動いていた。男子マラソンのレース佳境で不審者がコースに乱入し、選手に妨害行為をはたらいた事件は、それほど、ショッキングなものとなった。今後へ向けて新たに示された方針は、ロード種目における警備体制の徹底強化だ。
事件は、トップを独走していたデ・リマが36キロに差しかかった地点で起きた。赤い巻きスカートに緑のベレー帽姿の男がコースの左側から乱入。デ・リマに飛びつき、抱えるようにして観客で埋まる歩道に押し出した。数秒ほどもみあって後に再スタートを切ったデ・リマだが、そのリズムは完全に崩れていた。
「相手がナイフを持っているかもしれず、殺されるかもしれないと思うと、怖くて仕方がなかった」。最大で46秒もあった2位との差はみるみる縮まり、最後は3位に転落。「あれがなければ…。勝っていただろう」。偽らざる本音だった。
身柄を拘束した当局によれば、男はアイルランド出身の自称「元司祭」(57)。昨年のF1英国GPでもレース中にコースに侵入して禁固刑となり、テニスの全英オープンでも乱入騒ぎを起こした。「キリストの再臨に備えて(デ・リマを)つかまえた」と意味不明な供述をして、精神的に重大な問題があるとも指摘されている。
国際オリンピック委員会はリタイアせず、誇らしげにゴールしたデ・リマのスポーツマンシップをたたえ、近代五輪の父クーベルタン男爵の名を関した特別メダルを贈呈することを決定。ギリシャの軽犯罪を担当する裁判所はこの日、スポーツ競技に関係する法令違反で禁固1年(執行猶予付き)と罰金約40万円の判決を言い渡した。ロンドンに在住する男は、近くアテネから去るという。それでも、開幕前から指摘されていたずさんな警備体制が最後に“犠牲者”を生み、35歳の無名ランナーの快挙を妨げた大失態は償えない。
| ■五輪・競技中のハプニング■ |
| ★88年ソウル大会 |
ボクシング・バンタム級で韓国の選手が判定に抗議し、リングに座り込む |
| ★92年バルセロナ大会 |
男子マラソンで谷口浩美が給水地点で転倒した上に靴が脱げる。それでも8位入賞の力走を見せた |
| ★96年アトランタ大会 |
ボクシング・ライトフライ級でガーナの選手のトランクスとファウルカップが下がり、股間を露出させる。結局判定負け |
| ★00年シドニー大会 |
女子3メートル板飛び込みでドイツの選手が試技の際に板から滑り落ち、背中から入水。すべての審判が0点を付けた |
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