中国ヤング大躍進! 男子110障と女子1万で驚異の金
陸上男子110メートル障害で、中国の劉翔(21)が12秒91の世界タイ記録で圧勝、男子トラック種目ではアジア初の金メダルを獲得した。さらに、女子1万メートルでも中国の●(刑のつくりがおおざと)慧娜(20)が大金星。中国にとって実績がなかった陸上種目で、若き男女の新星が誕生した。常勝・米国と金メダル数争いを繰り広げている今大会の中国は、4年後の北京五輪をにらみ着々と布石を打っているようだ。〔写真右:トラック種目ではアジア初の王者となった劉翔=左。母国での五輪に向けてもダッシュ!=AP。同下:世界がビックリ。女子1万では●(刑のつくりがおおざと)慧娜がエチオピア勢を置き去りにして金メダルをかっさらった=撮影・奈須稔〕
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1メートル89の中国人離れ、いやアジア人離れした長身が、ダイナミックにハードルをクリアして、並み居る黒人選手たちをみるみる引き離していく。中国にニューヒーローが誕生した瞬間だった。
「金メダルを取れるとも、13秒を切れるとも思っていなかった。中国人には身体的に信じられないことと思っていた」と、13秒06の自己ベストを大きく上回る快走に本人もビックリ。「これでアジア人が、トラック種目で黒人や欧米人に勝てないことはない、と世界中に証明できた」と、誇らしげに胸を張った。
上海のごく普通の家庭の1人っ子。小学4年の時に走り高跳びを始めたが、記録は伸びず16歳で障害に転向。コーチの勧めで110メートル障害を専門にし、2年前に世界ジュニア記録を出して注目されていた。あくまで照準は北京五輪だったが、一足早く世界王者に。
次回五輪を控える中国にも重い価値のある金メダルだ。今大会では得意の重量挙げや射撃、飛び込みだけでなく、実績がなかったテニスや新種目の女子レスリングで金を獲得。これに陸上が加わり、幅を広げた形だ。
北京五輪の時は25歳になる。「陸上に最適な年齢。もっとミラクルな成績が出せると思う」。若き英雄は早くも4年後に思いをはせていた。
★慧娜は最後の直線でエチオピア勢振り切る
中国のヒーロー誕生の余韻が残るスタジアムで、今度は中国の20歳のヒロインが生まれた。
アフリカ勢が強い1万メートルで、伏兵視されていた●(刑のつくりがおおざと)が最後の直線でエチオピアの3人を鮮やかに突き放した。「優勝できるなんて想像もしていなかった」。初々しい笑顔が広がった。
むしろ得意の5000メートルでメダルを期待していたが、9位にとどまり「国際経験が不足していた」と悔しがった。今回は「最後の1周に入って、勝てると確信した」という完勝。日本勢3人も全く歯が立たなかった。
男子110メートル障害の劉が勝ったことは「私はレース後に知ったけど、とてもうれしい」。北京五輪には女王として臨むことになるが、「母国でメダルを取ることは、すべての選手にとっての夢だから」。劉と同じく、連覇という新たな夢に向けての挑戦が始まった。
| 中国の金メダル |
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| 競技 | 数 | | 飛び込み | 5 | | 重量挙げ | 5 | | 射撃 | 4 | | 卓球 | 3 | | バトミントン | 3 | | 陸上 | 2 | | 競泳 | 1 | | 体操 | 1 | | 柔道 | 1 | | テニス | 1 | | レスリング | 1 | | 合計 | 27 | | 【注】27日までの成績 |
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★「119プロジェクト」の成果
中国の躍進について、選手団の李富栄副団長は「陸上、競泳などの(主要)競技で好成績を出せなければ、本当のスポーツ大国とは言えない。その強化を図った」と説明する。陸上、水泳、水上競技(ボート、ヨット、カヌー)の3競技、119種目で世界との差が大きいとして「119プロジェクト」を立ち上げて重点強化に取り組み、その結果が早くも出てきたようだ。
また、挙国態勢を活用し、中央レベルの国家チーム、省レベルの体育学校、小中学校の体育活動の3段階で才能のある選手を発掘。メダリスト輩出の実績を各省で競わせ、報奨金や予算を増額する競争原理も導入した。
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