【マラソン】混戦男子マラソン、国近に「瀬古超え」指令

国近、油谷、諏訪=左から 29日号砲の男子マラソン日本代表3選手がアテネ市内で会見。初めて教え子を五輪マラソンに送りこむエスビー食品の瀬古利彦監督(48)は、国近友昭(31)に「師を超えろ」と厳命。2度の五輪でいずれも入賞を逃した自身の夢を、遅咲きのエースに託した。〔写真:女子で優勝した野口に続け。29日の号砲を待つ男子マラソンの国近、油谷、諏訪=左から=撮影・奈須稔



 ダジャレ満載の瀬古節が影を潜めていた。「いい緊張感だね」と武者震いしながら、瀬古監督は国近を万全の状態でスタートラインへ送り出す。

 「少なくとも私の五輪のときよりもいい状態。目標としては私の五輪の14番と9番を超えること。師を超えてほしい」

 日本マラソン界最大のスターも五輪には縁がなかった。24歳で迎えるはずだった80年モスクワ五輪は日本が不参加。84年ロサンゼルス五輪は猛暑の中の練習で体調を崩して14位に惨敗、全盛期を過ぎた32歳で臨んだ88年ソウル五輪も9位に沈んだ。翌89年から指導者になり、ようやく監督として五輪のマラソンの舞台にたどり着いた。

 「女子でラドクリフ選手が棄権したのを見て、マラソンの厳しさ、おもしろさを感じた。自分でも頂点に立てるチャンスがあると思いました」

 NTT中国(現NTT西日本)から00年5月に瀬古門下に入った国近も監督の思いは百も承知だ。互いを信じ、師弟の挑戦が始まる。

 ◆油谷繁 「(女子マラソンで)ラドクリフでさえ棄権するコース。世界一速い人が勝つという方程式は成り立たない。自分にもチャンスは大いに広がっていると思う」

 ◆諏訪利成 「42・195キロかけて自分の体力を出し切りたい。メダルは意識していない。自分の走りをするだけ」

男子展望

 日本からは世界選手権2大会連続5位の油谷繁(中国電力)をはじめ、昨年の福岡国際優勝の国近友昭(エスビー食品)、同2位の諏訪利成(日清食品)が出場する。油谷の安定感は抜群で、国近、諏訪も粘れる。日本男子は五輪で2大会続けて惨敗しているだけに、今回は入賞が最低限のノルマだ。

 外国勢では2時間4分55秒の世界記録を持つポール・テルガト(ケニア)が中心だろう。32キロ以降の下り坂まで先頭集団にいれば、スピードを生かせる。

 コニカミノルタ所属で、2大会連続メダルのエリック・ワイナイナ(ケニア)は粘りで勝負。ことしのびわ湖毎日を制したホセ・リオスらスペイン勢は伝統的に悪条件のレースで力を発揮する。昨年の世界選手権優勝のジャウアド・ガリブ(モロッコ)や世界選手権2大会連続銅メダルのステファノ・バルディニ(イタリア)らも力がある。




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