【マラソン】最愛の人の前で土佐粘り抜いた、5位入賞だ
強烈な西日にも負けずアテネの起伏の激しいコースを駆け抜けた。粘りの土佐礼子(28)=三井住友海上=が、きっちりと5位入賞を果たした。
「満足と残念な気持ちで半々です」
25キロ過ぎまで先頭集団についていたが、野口とアレム(エチオピア)に引き離された。サングラスの下で、口を開いた顔が大きくゆがむ。レース後は「後半は自分のレースができなかった」と反省も口にした。
昨年11月の東京国際で高橋尚子に一騎打ちを挑んでアテネ切符を獲る計画も、左足首ねんざで断念。どん底まで落ちた土佐の心を支えたのが、松山大陸上部の3年先輩で恋人の村井啓一さん(30)だった。その最愛の人はパナシナイコ競技場で見守ってくれた。
「ゴールしたときはほっとしました。お客さんがすごい応援してくれてうれしかった」
土佐の右手の薬指には3年前に村井さんからプレゼントされた銀の指輪がはめられていた。カクテル光線に照らされたその輝き、は金メダルにも負けない美しさだった。
〔写真:粘走で競技場を目指す土佐。5位でゴールだ=共同〕
| 土佐 礼子(とさ・れいこ) 1976(昭和51)年6月11日、愛媛・北条市生まれ。28歳。愛媛・松山商高−松山大。学生時代は全国的に知られていなかったが、99年に実業団入りして頭角を現した。01年世界選手権で銀メダル。02年ロンドンで自己最高の2時間22分46秒を出した後、故障が続き、ことし3月の名古屋国際で復活優勝した。1メートル67、50キロ。 |
|
★そのとき★
土佐の地元愛媛県のファンや大学の後輩は最後まで声援を送り続けた。愛媛県北条市の河野公民館には約200人が詰め掛けた。25キロ付近で先頭から離され始めると「頑張れ」「これからまだまだいける」と声が飛び、拍手がわいた。出身大学の松山大(松山市)でも100人を超える陸上部員やOB、教職員らがテレビ観戦。ゴールすると「よーし、5位」と健闘をたたえた。
|