78年ぶりの“人見絹枝”へ杉森の果敢な挑戦
無我夢中で先頭集団にくっついた。陸上競技が本格的に始まった20日に、女子800メートルの予選に出場した杉森美保(26)=大阪ガス。前半200メートルを27秒台と、果敢な先行策で飛ばした。が、残り200メートルで失速し、2分2秒82の6位でゴール。予選通過ノルマの4位を確保できず、敗退。世界の壁を痛感した。
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「前半、飛ばしすぎました。余分な力を使い、後半に響きましたね」。28年アムステルダム大会の女子800メートル、人見絹枝が2位で日本人女性初のメダルを獲得した。あの快挙から78年、この種目に出場するのは64年東京大会の木崎正子に続き日本女子3人目。予選で敗れたが、陸上界に大きな風穴をあけた。
五輪への道のりは、順風満帆ではなかった。01年に京セラに入社し、短距離から中距離に転向。持ち味のスピードを生かし、上位に名を連ねてきた。しかし、昨年4月に高校時代から痛めていた腰を手術。人生初の入院生活ではじっとしていられず、病室にダンベルを持ち込んだ。
4カ月後にリハビリ、今年2月に本格的な練習を再開した。不足していた筋力を強化し、6月の日本選手権で2分0秒46の日本新記録をマーク。会心の復活劇で、五輪出場を決めた。
「周囲のサポートで、大舞台に立てました。1分台で恩返ししたかったけど力不足、この経験を生かしたいです」。あどけない表情に、芯の強さが見え隠れする。走り終えた杉森は、すぐに4年後の北京へ目を向けた。
〔写真:先行策も実らず予選落ちした杉森。でも、確かに五輪史に刻まれる出走だった=共同〕
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