男子ハンマーの室伏は1投で決勝進出
陸上が本格的に競技を開始し、男子ハンマー投げで金メダルを狙う室伏広治(ミズノ)が予選1投目で通過記録(78メートル00)を上回る79メートル55を投げて、決勝(22日)進出を決めた。〔写真:男子ハンマー投げ予選79メートル55をマークして決勝に進出した室伏広治(共同)〕
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金メダルロードを順調に滑りだした。室伏は力をややセーブするかのように、ゆったりとした回転から1投目に79メートル55をマークし、決勝進出を決めた。「決勝につなげるためにも1投で残ることが重要。感触はいい」と手応えをのぞかせた。
昨季は84メートル86の世界歴代3位、現役では最高の記録を投げた。技術は最高レベルに達したといっていい。だが、室伏は「去年と今年ではまた、まったく違う投げ方をしている」。さらなる高みを目指し、高い完成度を誇る高速4回転投法にメスを入れ、あえて大改造に挑戦している。
昨季終了後、アトランタ五輪2位のランス・ディールがいる米オレゴン州ユージンに足を運んだ。そこでその師、スチュワート・トーガー・コーチと出会い、指導法に共感。何度もユージンに出向くようになった。
やみくもに回転スピードを上げるのではなく、最後の瞬間にどうハンマーにスピードを加えられるかがポイント。室伏は「体の運動ではなく、球の運動を研究している」。トーガー・コーチは「彼は既に世界のトップ選手。それ以上の進化を求め、ここにきたのだと思う」と話した。
ハンマー投げを本格的に始めたのは千葉・成田高入学後。インターハイで2連覇し、中京大では「アジアの鉄人」といわれた父、重信コーチの指導を受けるようになった。「最初は言うことをきかなかった。高校で実績も作って自分が正しいと思っていた」。だが2年生で間違いに気付き「自分にふたをしてしまっては、いいものを吸収できない」。そんな経験が、今の室伏を支えている。
4年前のシドニー五輪は結果を意識し過ぎて9位。その反省から、「今は自分のやるべきことに集中するだけ」。重信コーチは予選を「動きに余裕があった。非常にいい感じ」と評価した。22日の決勝では力を出し切ることに専念し、頂点を目指す。
(共同)
★父と妹もスタンドで声援
1階スタンドの上段には父・重信コーチ(58)と女子ハンマー投げに出場する妹の由佳(27)の姿が。父は室伏に向かって右手を大きく上げると、いつも通りビデオカメラを操作しながら、無言で投てきを見詰めた。
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