【シンクロ】立花美哉、武田美保組が首位で決勝に
シンクロナイズドスイミング ジャパン・オープン兼日本選手権第2日(4日、東京辰巳国際水泳場)は、3種目のフリー・ルーティン(FR)予選を行い、デュエットはアテネ五輪代表の立花美哉(29)、武田美保(27)=井村シンクロク=組が首位で決勝に進んだ。「歌舞伎」をテーマにした激しい動きの五輪用ニュー演技を、国内で初披露。金メダル獲得に向け、伝統芸能の心をつかむため、異例の“歌舞伎体験トレ”にも意欲を見せた。〔写真右:歌舞伎をイメージして見得を切る立花(左)と武田(右)。日本の伝統芸能でアピールだ=撮影・奈須稔。同下:水中でも息の合った演技をみせる立花、武田組。世界屈指の演技だ=撮影・奈須稔〕
★中心となるのは「勧進帳」
ィヨ〜〜オ、ポポン!つかみから純和風。手を前に出し、見得(みえ)を切る。とん、とん…と六方(ろっぽう)を踏み、連獅子風に首をグルグル。水上歌舞伎だ。悲願の五輪金メダルを狙う立花、武田が、五輪用演技を国内初公開した。「中盤までは距離感を意識して泳いだけど、最後はちょっと疲れた」(武田)。歌舞伎表現だけでなく、速い連続足技もある。ハードだった。
歌舞伎。井村雅代コーチが長年温めていた演技テーマで、中心となるのは、十八番のひとつ「勧進帳」だ。義経と弁慶の物語に沿って演じるわけではないが、イメージを取り入れた。「連獅子」もミックスし、舞台を連想させる動きは随所にちりばめられている。
★異例の体験入門トレーニングも
昨年末から2人は練習開始。実際に東京・歌舞伎座に鑑賞に出向き、触れさせてもらった衣装の鮮やかさに感激した。ビデオでも観た。女性は舞台に立てないが、「やりたいですね。ちょっとでも新しい表現がしたいと思う」(武田)と、神髄に近づくため、異例の体験入門トレーニングで学びたい気持ちもある。
ただ、4月の五輪予選(アテネ)で披露した際は、審判、観客の理解を得られず宿敵ロシアに敗れた。「反省はある。ちょっといきすぎかな」。演技後、井村コーチは歌舞伎表現を抑え目にすることも示唆した。伝えたいのは、あくまで伝統芸能の魅力。持ち前の技術力に和の心をプラスしたカブキ風シンクロで、世界にアピールする。
★金子正子・日本水連シンクロ委員長
「五輪予選の時は、ミスをするまいと一生懸命に泳いでいるのを感じたが、舞台に乗せて、泳ぎが慣れてきた。2人はもともと技は高いが、注文を言えば、ひとつの技でも、本当に“あっ”と声が出るような高さが出れば、印象が違うのではないが。歌舞伎で細かいテーマを付けても、海外の方には分からないと思う。ただ、アテネで話を聞くと、“自分たちと同じように深い歴史を持つ日本の文化に興味がある”というようなことを言われた。アテネの人の心にジーンとするものを残せるというか、魅力的に感じてもらえる演技、だという手応えは感じている」
★アテネのライバル
五輪での日本デュエットのライバルは、ロシアのダビドワ、エルマコワ組。シドニー五輪金メダルのブロウスニキナ、キセレワ組が一時、第一線を退いた後、同国で台頭してきた。芸術性より、技の速さ、同調性などが際立ったチームで、03年世界選手権では、金メダルを獲得している現世界女王組だ。
ロシア、日本の後を、かつての強豪、米国、カナダや、近年力をつけてきたスペイン、中国などが追っている。
★チームも金狙い
五輪代表は、チーム種目でも「日本」として出場。立花、武田はデュエットに続いて、フル稼働で演じた。こちらは、「武士道」がテーマで、大きなリフト技が見せ場。今回は、宿敵ロシアこそ参加していないが、カナダ、中国の五輪代表らを押さえ、FR予選をトップ通過した。「まだ不十分なところはあるけど、勢いは出せた」(立花)。この種目ももちろん、狙うは悲願の金メダルだ。
| ◆立花、武田組デュエットの世界大会成績と演技◆ |
| 年 |
大会 |
順 |
テクニカル・ル
ーティン演技 |
フリー・ルー
ティン演技 |
| 98 |
パース世 |
銀 |
AKIRA |
トルコ行進曲 |
| 00 |
シドニー五 |
銀 |
地平線 |
MATE |
| 01 |
福 岡世 |
金 |
ライジングサン |
パントマイム |
| 03 |
バルセロナ世 |
銀 |
SAKURA2003 |
風とバイオリン |
| 04 |
ア テ ネ五 |
? |
SAKURA2004 |
歌舞伎 |
| 【注】世は世界選手権、五は五輪。演技内容はテーマ曲、イメージなど |
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★記録メモ
シンクロが五輪で採用されたのは84年ロサンゼルスから。92年バルセロナまでの3大会の種目はソロ、デュエット、96年アトランタはチームのみ、00年シドニーからデュエットとチームになった。アテネもこの2種目。日本は、ロス以降の各五輪で、実施されたすべての種目でメダルを獲得しているが、金メダルはまだない。世界大会での金メダルは、01年福岡のデュエット(立花、武田組)と、03年バルセロナのフリールーティンコンビネーション(五輪未採用種目)の2個
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