【水泳】山田沙知子、800メートル自由形・日本記録で7連覇代表権ゲット

 水泳日本選手権 第4日(23日、東京辰巳国際水泳場)。女子800メートル自由形決勝で、既に400自で2大会連続五輪代表を決めている山田沙知子(21)=コナミスポーツ=が、自身の持つ日本記録を2秒近く更新する8分23秒68で7連覇。派遣標準記録Iを突破し、この種目も代表権を手にした。昨年の世界選手権(バルセロナ)の銀メダル相当で、金に0・02秒差に迫る好タイム。大舞台に弱い汚名を返上し、今度こそ世界を獲りに行く。〔写真:やった!日本新で五輪出場権をゲットした山田沙知子。本番でメダルも狙える好記録だ=撮影・奈須稔

★五輪でトップと戦えるタイム

 笑った、躍った。久しぶりの笑顔が水面を浮き沈みする。五輪でトップと戦えるタイム。胸を張っていい。大きく手を振った。山田が、世界レベルの力を見せ付けた。

 「後悔して終わりたくなかった。メダル?やっと800はそのレベルに入ってきたと思う」。電光掲示板に出たタイムは、五輪の表彰台への期待を膨らませる世界レベルの好記録。関西風のイントネーションでのしゃべりが、明るく弾けた。

★素質は世界トップ級

山田沙知子 1メートル76、日本人離れした長い手足で、素質は世界トップ級。だが、大舞台に弱いといわれ続けた。メダル圏内のタイムを持ちながら、シドニー五輪、01年世界選手権も表彰台に届かず。昨年7月の世界選手権では腎盂(じんう)炎による発疹で、3種目予選落ちの惨敗。「1カ月半、ボーッとしてた」ほど落ち込んだ。引退も頭をよぎったが、8月の世界陸上の女子マラソン中継などを見ているうちに、「がんばらなアカン」と思うようになった。

 米国を中心にした海外武者修行の日々。米国で、30歳前後の選手たちに引退を考えたことを話すと「若いのに、何言ってんだ」と笑い飛ばされ、海外勢のたくましさを学んだ。心身を鍛え、五輪選考会に臨んだ。 決勝では、キツくなる600メートルから逆にペースを上げた。「見えない敵と戦う感じで、行くしかないと思って」。4カ月後、戦うことになる世界のツワモノたちの姿をにらみながら、歯を食いしばった。

★世界選手権の金タイムと0・02秒差

 昨年の世界選手権なら銀相当のタイムで、シュトックバウアー(ドイツ)の金タイムとわずか0・02秒差。「やっと手の届くところにきた」。もちろん、金メダルのことだ。「ずっと泣いてばかりで心配かけまくってたので、違った涙でみんなで喜びたい」。アテネで見せるのは嬉し涙。昨日までのガラスのヒロインが、ゴールド・スイマーを目指す。

★山田沙知子(やまだ・さちこ)

 1982(昭和57)年10月15日、大阪府出身、21歳。コナミスポーツ所属。3歳で水泳を始め須磨学園高、関大文学部4年。シドニー五輪は400自予選敗退、800自8位。一昨年のパンパシ選手権は800自、1500自で銀、400自で銅。1メートル76、65キロ。

アラカルト
虎ファン大阪生まれで、父の影響でプロ野球は阪神のファン。トラッキーのマスコット人形をバッグにぶらさげることも
交友ソルトレークシティー五輪スピードスケート代表で、自転車でアテネ代表にもなった大菅小百合とは、ジュニア時代からの友達。メールだけでなく、手紙のやり取りも
大学関大文学部4年。昨年は休学したが、4月から復学した。五輪イヤーだが、「来年に復学すると五輪後の半年間がムダになるから」と今年の復学を選んだ
目標800自世界記録保持者のジャネット・エバンス(米国)
好物断ちツナ缶が好物だったが、昨年体調不良になってからは、じんましんの原因になると判断し、やめた
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