【水泳】中村礼子、100メートル背泳ぎで初の五輪キップ
昨年の世界選手権背泳ぎ代表が5人そろった今大会の最激戦区の女子100メートル背泳ぎ決勝は、中村礼子(21)=日体大=が、1分0秒98で優勝。初の五輪出場を決めた。2位の稲田法子(25)=セントラルスポーツ=もバルセロナ、シドニーに続く五輪切符獲得。シドニー五輪同種目銀メダリストの中村真衣(24)=JSS長岡=は3位に終わり、3大会連続の五輪出場を逃した。〔写真:やった、アテネ行きを決めたワ! 表彰台で手を挙げる中村礼子(右)と2位の稲田法子=撮影・尾崎修二同下:アテネへ向け、必死に水をかく中村礼子〕
★トップを泳ぎ切る
最後まで、トップは譲らなかった。今大会最大の女の戦いを制して、ゴール。順位とタイムを確認、アテネ行きが分かると、中村礼子はほおを真っ赤にして、喜びを爆発させた。「泳いでたら、無我夢中で、どういう展開だったか、よく覚えてないです」
百花繚乱(りょうらん)、タレント揃いのこの種目。シドニー五輪銀メダルの中村真衣、昨年の世界選手権50背銅メダルの稲田法子、そして19歳の伊藤華英に寺川綾がいる。層が厚い女子背泳ぎで、特にこの100メートルは最激戦区。トップを泳ぎ続けた。身長、体重では5人の中で一番小さい中村礼子が、トップで五輪切符を手にした。
★北島康介も祝福
「レイコーッ!」。レース後、通路ごしに、大きく手を振って祝福する声が響く。前日男子100メートル平泳ぎで五輪切符を手にした北島康介だ。中村は、所属は現在もヨコハマSCだが、昨年10月、練習環境を変える決意をした。東京SCで北島を指導する平井伯昌コーチ(40)に志願の弟子入り。北島とチームメートになった。それまでは試したことのなかった、本格的なウエートトレに着手。もともとは200メートルの方が得意だったが、筋力アップとともに、スピードも増した。
今年に入り、100メートルの自己ベストを次々と更新。100、200どちらでも世界を狙える力をつけた。世界一を狙う北島と練習をともにすることで、心も成長した。「精神的に安定したというのが大きい。意欲が感じられる」と平井コーチ。同じチームで五輪行きを決めた個人メドレーの三木二郎、そして北島に続いた。
★200メートル背でも代表権を取るつもり
チーム内では、ムードメーカー。ホンワカしたキャラで、天然ボケを連発し、ピリピリムードを笑いに変えてしまう。平井コーチも「ヤロー(男)ばかりより、女の子がいた方が場がなごんでいいですね」と、“礼子効果”に感謝している。
「(25日決勝の)200もあるので、まだホッとし切れていません」。もちろん得意種目200背でも代表権を取るつもりだ。ヨコハマSCの森谷博コーチは、中村を「チーターではなく、シマウマのような草食動物系のスタミナがある筋肉の持ち主」と評したことがある。今や獲物を狙う肉食動物のような速さも身につけた。獲物はもちろん、五輪のメダル。「自分は、すべてが変わったと思う」。自信と力をみなぎらせ、世界と戦いに行く。
| ■女子100メートル背泳ぎ決勝成績■ |
| <1> |
中村 礼子(日体大) |
1分0秒98 |
| <2> |
稲田 法子(セントラル) |
1分1秒39 |
| (3) |
中村 真衣(JSS長岡) |
1分1秒55 |
| 世 |
コフリン(米 国) |
59秒58 |
| 日 |
中村 真衣(中 大) |
1分0秒55 |
| 五輪派遣標準記録II |
1分1秒49 |
| 【注】<数字>はアテネ五輪代表入り |
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★中村 礼子(なかむら・れいこ)
1982(昭和57)年5月17日、神奈川・横浜市生まれ、21歳。湘南工大付高から日体大4年。3歳から横浜SCで水泳を始め、2001年の福岡、03年のバルセロナと世界選手権に2大会連続で出場。身長1メートル66、体重55キロ。
★中村真衣は、五輪出場の夢断たれる
前回シドニー五輪銀メダリストで日本記録保持者の中村真衣は1分1秒55で3位に敗れ、3大会連続五輪出場の夢は断たれた。表彰式が終わると、涙が流れた。「代表には選ばれなかったけど、今までやってきたことには納得しています」。中学2年で日本のトップに立ち、中大卒後はプロ選手として五輪金を目指してきたが、夢はかなわず。「水泳以外の道で人生を歩んでみてもいいかなと最近考えてます…」と引退を示唆。五輪種目でない50メートル背泳ぎ(25日)が最後の競技になる。
★女子100メートル背泳ぎの現状
02年に世界で初めて1分の壁を突破したコーグリン(米国)は、59秒58の世界記録を持ち、現在も唯一の1分突破者。昨年の世界選手権は体調不良のため、成績を残せなかったが、キッチリ調整ができれば、アテネの金メダル候補筆頭。セクストン(英国)も、有力候補だ。同世界選手権で優勝したブシュシュルテ(ドイツ)のタイムは、1分0秒33。五輪のメダル争いタイムは、1分0秒台前半となりそうだ。
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水泳女子・過去の五輪メダリスト |
| 年 | 大会名 | 氏名 | 種目 | メダル |
| 1932 | ロサンゼルス | 前畑 秀子 | 200平 | 銅 |
| 36 | ベルリン | 前畑 秀子 | 200平 | 金 |
| 60 | ローマ | 田中 聡子 | 100背 | 銅 |
| 72 | ミュンヘン | 青木まゆみ | 100バタ | 金 |
| 92 | バルセロナ | 岩崎 恭子 | 200平 | 金 |
| 2000 | シドニー | 中村 真衣 | 100背 | 銀 |
| 田島 寧子 | 400個混 | 銀 |
| 中尾 美樹 | 200背 | 銅 |
| 日 本 | 400混継 | 銅 |
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