【シンクロ】「8人のサムライ」逆転ならずも4年後へ夢はせる銀

日本は豪快なリフト技 シンクロナイズドスイミングのチームの後半フリールーティン(FR)を行い、前半テクニカルルーティン(TR)で2位の日本は合計98・501点で、2大会連続の銀メダルを獲得した。日本は、デュエットの立花美哉(29)、武田美保(27)=井村シンクロク=に続く今大会2個目の銀メダル。優勝はロシアで、2大会連続でデュエットとの2種目制覇となった。〔写真:日本は豪快なリフト技も見せて銀メダル=撮影・塩浦孝明



 日本の8人は「サムライ」を演じきった。演技時間の4分間、観衆を魅了し続けた。3番目に演技を終えた時点でトップ。あとは、4番目の宿敵ロシアを待つだけだった。ライバル、ロシアは演技の冒頭で曲が止まるハプニングを乗り越え、再演で完ぺきな演技。前日のTRで2位だった日本は、FRでの逆転を目指したが及ばなかった。

 日本シンクロ史上初となる五輪金メダルを狙っていたが、果たせず。でも、堂々の銀だ。チームでは、96年アトランタの銅、00年シドニーの銀に続く、メダル獲得。選手たちは胸を張って表彰台に立った。

 「サムライ in アテネ」の曲に乗っての演技。イメージするのは、武士道だ。戦(いくさ)の斬りむすびを思い起こさせる動き。打って変わった静かな流れ。緩急をつけた動きが展開する。合宿の間に、チームで高野山を訪れ、密教の心を学んだ。世界から見た武士道とは何かを知るため、映画「ラスト・サムライ」も観た。曲には、高野山に伝わる仏教音楽・声明(しょうみょう)も取り入れた。日本伝統の正確な技術力で、機械的かつ美しいロシアの演技に対抗した。

 日本シンクロ界にとって、この銀は快挙。ベテランの立花、武田は、96年アトランタの初出場以来、3大会で実施された5種目すべてでメダルを獲得した。銀4に銅1。金はないものの、シンクロ史上最多メダル獲得記録を更新した。井村雅代コーチが「アテネが終わったとき、やり残したことはないと思わせてやりたい」と話した通りの演技で、3度目の五輪を締めくくった。

 次の目標は北京。しかし、課題はある。金メダルに向け、今後は、この2人のレベルに、ほかの選手たちが追いつかなければならない。これまでも2人と他選手の格差は、指摘されてきた。「日本として、メダルを狙っている以上、力の差があるとしても個々が同じ意識を持たないと」と、立花は後輩を激励する。アテネは終わった。4年後には『金』を獲ってみせる。シンクロ日本は、上を目指して新たな戦(いくさ)を始める。


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