世界制した北島が執念燃やす「インカレ制覇」

凱旋帰国した北島=中央 アテネ五輪に出場していた日本競泳陣が24日、成田着の航空機で帰国した。男子平泳ぎ100、200メートルで2冠を達成し、400メートルメドレーリレーでは銅メダルを獲得した北島康介(21)=東京SC、日体大4年=は9月3日からのインカレ(神奈川・相模原市)で、2冠の泳ぎを披露することを示唆した。また女子800メートル自由形で金に輝いた柴田亜衣(22)=鹿屋体大=は、周囲のフィーバーぶりにうれしい悲鳴を上げた。〔写真右:凱旋帰国した北島=中央。首にかけた3個のメダルが光る=撮影・春名中。同下:金メダルコンビの北島=奥=と柴田。2人のスマイルも世界一=撮影・寺河内美奈



 成田空港に押し寄せたファンの数は約600人。金2つ、銅1つとメダル3つを首にかけた北島が、さっそく4年後の北京へのスタート台に立つ考えを示した。

 「(インカレは)大学で最後の大会になる。自分の調子と体調をみて、出るかどうか決めたいです」。プレッシャーから開放されたばかりの北島だが、すでに9月3日に開幕するインカレの100、200メートル平泳ぎにエントリーしている。明言は避けたものの、出場すれば激闘の疲れが取れないままの強行参戦となる。だが、同大会には特別な思いがある。

金メダルコンビの北島=奥=と柴田 01年4月に日体大に入学し、1年生からエースとして活躍。その年のインカレでは100、200メートル平泳ぎで優勝。400メートル、800メートルメドレーリレーでも1位となった。しかし02年はアジア大会、昨年は世界選手権に専念したため、2年連続でインカレには出場していなかった。母校への恩返し。そして、北京へ向けて、原点となった大会で、再び一から出直す気持ちは強い。

 北島を中学生のときから指導する平井伯昌コーチ(41)もまな弟子にあえて厳しい言葉を並べた。「水泳をする上でもう一度目標を作らないと、五輪の記録に泥を塗る」。来春の大学卒業後の進路は、まだ決まっていないが、まずはインカレで学生時代の集大成を飾らせたい考えだ。

 「(世界記録では)上にはハンセンがいる。最高のパフォーマンスをしたい」。五輪金メダルの次は、ブレンダン・ハンセン(米国)に塗り替えられた平泳ぎ100、200の世界記録奪還だ。世界王者に休息はない。日本競泳界のエースが、北京五輪へ向けいち早く動き出す。

江坂勇始


インカレ

 正式名称は、日本学生選手権水泳競技大会。1921(大正10)年から開催されている大学生の最大の水泳大会で、大学対抗戦。80回目の今年は、来月3日から神奈川・相模原市立総合水泳場で行われる。前回大会で中大が日大のもつインカレ10連覇に並び、今大会で前人未到の11連覇に挑む。


★いつまで続く“亜衣ちゃんフィーバー”

 アテネで誕生したシンデレラが、さわやかな笑顔で空港到着ロビーに現れた。待ち受けた友人や知人と抱き合う柴田。一斉に注がれるカメラのフラッシュに「こういうのは苦手なんです」とつぶやく初々しさだ。

 日本女子競泳で五輪自由形初のメダルを獲得。「(ゴールで)タッチしたときも意味がわからなかった。まさか自分がメダルを取って、しかも金メダルなんて」と日本中を沸かせたシーンを振り返った。今後は鹿児島・鹿屋体大の一員として、9月3日開幕のインカレに出て、今季の試合の日程を終える予定だ。

 23日には高校時代まで過ごした徳島県が県民栄誉賞を贈ると発表したばかり。また、現住の鹿屋市でも市内の公園に「五輪ロード」が作られ、柴田のモニュメント像が立つ予定。“亜衣ちゃんフィーバー”は当分収まりそうにない。

丸山汎


★バタフライ銀の山本は、近い将来に近大水泳部監督へ

 男子200メートルバタフライ銀メダルの山本貴司(26)=近大職員=は「夢の大会でメダルが取れてすごくうれしい」と振り返った。今後は「後輩の指導も(するように)いわれている。教えながら泳ぐって感じですかね」と近い将来、近大水泳部の監督就任を打診されていることを明かした。奈良県内の自宅では元五輪女子自由形代表の夫人・すずさん(29)=旧姓千葉=が待つが「手料理? 今は作ってくれるものならなんでもうれしい」と再会を待ちわびていた。

 ◆女子200平で4位、3大会連続出場もメダルを逃した田中雅美 「ふつふつと悔しさがこみ上げてはいるが、アテネは一つの区切りと思っていた。今後について? 水泳に恩返しはしたいですね」

 ◆メダルは逃したが、女子200背泳ぎで8位入賞の寺川綾 「今後はインカレと国体。アテネはもちろんプラスになった大会でした。誇りを持っています」

 ◆男子100メートル背泳ぎ銅メダルの森田智己 「初めての舞台でもっているものをすべて出せた。でも、まだ銅なんで終われません」

 ◆男子混継銅メダルの最終泳者、奥村幸大 「気持ちよかった。“今やらんかったら切腹もんだ”と思って泳いだ」

 ◆女子200メートル背泳ぎ銅メダルの中村礼子 「メダルにこだわったからうれしい。でもまだ3番手。頂点を目指したい」

 ◆女子200メートルバタフライ銅メダルの中西悠子 「試合前に(金メダルの北島の表彰式で)君が代がきけて興奮した。いい雰囲気でレースができた」


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