北島「58秒」宣言、混継で日本男子決勝へ

北島=上= 競泳男子400メートルメドレーリレー予選で、平泳ぎ個人2冠(100、200)の北島康介(21)=東京SC=が第2泳者を務めた日本は、3分37秒27の4位。21日の決勝に進出した。強豪の豪州が予選落ちする波乱もあり、昨年の世界選手権・同種目(バルセロナ)の銅に続くメダル獲得のチャンスが大きく膨らむ。エースの2冠王は、平泳ぎのスプリットタイムで、前人未到の“58秒台”叩き出しを宣言した。米国が3分35秒10で1位。女子400メートルメドレーリレー予選の日本は全体の6位で通過した。〔写真:3つ目のメダル獲りへ。2冠・北島=上=は気を緩めず、前人未到の“世界記録”にも意欲満々=撮影・奈須稔



 いきなりギアがトップに入る。飛び込んで体が浮いた瞬間から、北島が猛烈な加速で追い上げた。第1泳・森田から2番手で引き継ぎ、第3泳までの残り20メートルでトップを奪う。これが2冠王の底力。メダルに手が届く位置で、決勝に進出だ。

 日本競泳史上初の五輪同一大会個人種目で2冠獲得の偉業を達成。重圧からも開放された北島は、「100平の時とは違って、そんなにプレッシャーなく泳げた」も笑顔みせた。平井伯昌コーチ(41)も、リレーについては「思うように泳がせる」。ペース配分も、水のかき方も、北島の好きなように泳がせることを決めた。予選でみせた泳ぎは、200平で金メダルを獲ったときのような、ゆったりしたストロークではなく、ガムシャラに水をかくスタイル。駆け引きなし。無心にスピードだけを求めた。

 決勝では夢を描く。力を込めて、「ラップで58秒台を狙っていきたい」。予選の北島の引き継ぎタイムは59秒69。現在の100平の世界記録はブレンダン・ハンセン(米国)の59秒30。もちろん、引き継ぎのリレーでのタイムは、記録としては認められない。だが、昨年の世界選手権で銅メダルを獲ったときの北島のタイム59秒11は、引き継ぎタイムでは“世界歴代1位”とコールされた。ファイナルでは、それをも超えて、前人未到の領域にまで踏み込んでいくつもりだ。すでに予選の時点で、昨年選手権の予選タイム59秒87も超えてきた。

 4位。メダルに手が届く。しかも、あのソープが決勝でアンカーを務めるはずだった豪州は、予選メンバーが振るわず、9位で予選落ち。日本に風が吹いている。第1泳・森田は100背銅メダル→北島は平泳ぎ2冠王→山本は200バタ銀メダル→奥村は100自予選で日本記録更新、と史上最強メンバーがそろった。

 「1番で(山本に)つなげたい。メダルを獲れば、いい形で締めくくれる」。日本競泳史上最多の同一大会3個目のメダル獲得へ。北島に、有終の幕引きが託される。

結城正


400メートルメドレーリレー(混継)
 1チーム4人で構成。背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の順に1人100メートルずつ泳ぐ。世界記録は03年7月の世界選手権で米国(ピアソル、レザック、クロッカー、フェルプス)が樹立した3分31秒54。日本記録は同大会で森田、北島、山本、細川が樹立した3分36秒12。


★日本女子は6位で決勝へ

 女子400メートルメドレーリレーで、シドニー五輪の銅に続くメダル獲得を狙う日本は、4分6秒90で6位通過。こちらも決勝に期待を残した。第1泳者の背泳ぎは予選メンバーの稲田法子。五輪挑戦は今大会が最後になりそうだが、「タイムに納得していない。モヤモヤしている」と、未練を残した様子。シドニー銅メンバーの平泳ぎ・田中雅美、バタフライ・大西順子は、集大成の泳ぎを見せるべく決勝に臨む。

★米国は「控え」でも貫禄の1位

 米国は、各種目の2番手クラスを出場させた予選メンバーで、貫禄の1位通過。タイムは、昨年、北島たちが出した日本記録3分36秒12を、1秒以上も上回る3分35秒10だった。一方、豪州も予選メンバーで臨んだが、平泳ぎとバタフライでタイムが上がらず、9位で予選敗退。昨年はこの種目、引き継ぎ違反で敗れており、腕ぶしていたソープの出番は回ってこなかった。

★男子1500自の松田は決勝進出ならず

 男子1500メートル自由形予選で、松田丈志(20)=中京大=は、15分16秒12で13位となり、決勝進出はならなかった。400自、200バタ、この1500自と個人3種目に出場した若き鉄人。400自では入賞も果たしたが、「悔しい。メーンにしていた種目で決勝に出られなかったので」と、第1目標だった200バタでの決勝進出を逃して渋い顔。

第9日(21日)の見どころ
 陸上は男子100メートル1次予選、2次予選があり、末続慎吾(ミズノ)は日本選手として72年ぶりの決勝進出へ向け、好スタートを切りたい。

 競泳は最終日。北島康介(東京SC)が男子400メートルメドレーリレーにも出場。昨年の世界選手権では3位に入っており、メダルで締めくくれるか。

 野球は台湾と対戦。アジア予選では9−0と圧勝しただけに、確実に勝利を収めたい。

 ヨット男子470級は最終レース。関一人、轟賢二郎組(関東自動車工業)は総合4位につけ、メダル獲得のチャンスだ。アーチェリーは男子団体を実施。個人で山本博(埼玉・大宮開成高教)が銀メダルを獲得し、団体も一気に期待が高まる。

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