【水泳】北島燃える、イチャモン米国を400混継でやっつける!

北島康介 2冠達成、ここまできたら3冠獲りで有終のトドメを刺す。18日の男子200メートル平泳ぎ決勝で、北島康介(21)=東京SC=が、2分9秒44の五輪新記録で金メダルを獲得。100平と合わせ、日本競泳界史上初の五輪同一大会個人2冠の偉業を成し遂げた。最大の目標をクリアした日本のエース。20日(予選)からの男子400メートルメドレーリレーで、北島に“泳法違反疑惑”を突きつけた因縁の米国チームとの直接対決へ。3個目の金メダルを奪取し、完全決着。雑音を封じる。〔写真:北島=左=が100に続き、200でもライバルの米国・ハンセンに完勝。男子400混継では、チームとして米国を粉砕だ=撮影・奈須稔



 異次元の強さ。北島が飛び出す。逃げる。差は広がるばかり。滑り出しの50メートルでは自己の持つ日本記録を上回り、150メートルをターンしたときには、すでに勝負を決していた。2位との差は1秒36。あまりの圧勝劇に、「面白くなかった?」と周囲の爆笑を誘った。日本競泳史上初、1大会個人2冠を手にしたスーパーヒーローだが、これで終わりではない。「今度はチームのために」−。

 100の金メダルのときのような涙はなかった。勝つべきして、勝った確信の結果。快挙のレース後は、100平Vのときのように日本のテレビ局への生出演は控え、選手村で休養に努めた。100、200の世界記録保持者のライバル、ブレンダン・ハンセン(米国)との一騎打ちを制覇。個人の戦いには、完全燃焼した。だが、「まだレースがありますから」。気を緩めてはいない。

 20日から、北島が出場する最終種目400混継予選が始まる。背−平−バタ−自とリレーするレースで、北島は第2泳を担当する。日本は、100背銅の森田−2冠王・北島−200バタ銀の山本−100自予選で日本記録を更新した奥村、と史上最強メンバー。金メダルも狙える。気合が入る理由がもうひとつ。直接のライバルが米国となりそうだからだ。

 いまでも、北島の胸中には“小骨”が引っ掛かっている。100平レース後、米国の背泳ぎ代表ピアソルが、北島の泳ぎに対し「泳法違反疑惑」を指摘。騒動となった。もちろん、単なる言いがかり。平井伯昌コーチ(41)も「戦術でしょう。五輪戦争ですから」と、米国側の心理作戦であることを見抜いていたが、米国メディアもこぞって取り上げる騒ぎになったのも事実。

 200の決勝前。北島は「言われたからには、絶対負けられねぇ、と思った」と、憤慨の気合を入れた。そして、圧勝。混継の米国チームには張本人のピアソルに、平の宿敵ハンセンも出てくる。ここでもう一度、たたいておけば、因縁に完全決着がつけられる。

 決勝は競泳最終日21日の最終種目。メダルラッシュの日本チームが一丸となって有終を飾るにふさわしい舞台。「チームのためにメダルを獲りたい」。世界記録を持つ米国チームだが、勢いでは日本も負けない。エース・北島が、最後の大仕事に魂を込める。

結城正


200平VTR
 準決勝3番手の北島は、第3コースからスタート。勢いよく飛び出すと、あとは独壇場。スピードが乗った大きな泳ぎで、後続を引き離す。特にラスト50メートルでの加速は、誰もついていけず。結局、体半分抜け出してゴールした。最初から最後まで、トップを一度も譲らない圧勝。2分9秒44は、バローマン(米国)の五輪記録2分10秒16(92年バルセロナの優勝タイム)を12年ぶりに塗り替える五輪新。ハンセンは銅メダルだった。


泳法疑惑騒動
 100平のレース後に、ピアソル(米国)が「(北島は)ドルフィンキックを打っている」と、騒ぎ立てたのが発端。平泳ぎのルールではスタート、ターンの後は、最初のひと蹴り以外の動作はできないため、両足をそろて水を蹴るドルフィンキックは違反になる。審判団は問題にせず。米国側も抗議の意思がないことを早々に表明したが、北島を悪役扱いにして報じる米国紙もあった。200平決勝では、パイパー(豪州)がドルフィンキックを打ったとして失格に。北島には、おとがめがなかったことからも、中傷の無根拠さがわかる。


400メートルメドレーリレー(混継)
 1チームで4人で構成。背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の順に1人100メートルずつ泳ぐ。世界記録は03年7月の世界選手権で米国(ピアソル、レザック、クロッカー、フェルプス)が樹立した3分31秒54。日本記録は同大会で森田、北島、山本、細川が樹立した3分36秒12。


★国際水連も絶賛

 FINAが連日配信しているニュースの特別記事で日本のエースを大きく取り上げた。「北島が日本初の個人2冠」との見出しを掲げ、世界記録保持者のハンセン(米国)らを寄せつけなかった圧勝ぶりや100メートルでの泳法違反騒ぎへの反骨心を詳しく報じた。北島だけではなく、チームの20人が厳しい選考基準を勝ち抜いて自信を持っていることなど、競泳ニッポンの復活ぶりも紹介した。

★“北島電車”でサンスポの写真も見てね

2冠の快挙をたたえる都電荒川線の“北島電車” 競泳男子平泳ぎ100、200メートルで2冠を達成した北島の快挙をたたえて、北島の実家近くを走る都電荒川線が19日、記念電車の走行を開始した。車両の先頭、最後尾部分に金メダルをモチーフにしたプレートを設置。車内にはサンケイスポーツ紙提供の写真が飾られている。運転手の高林義広さん(41)は、「とても誇らしいです」と笑顔。当初は1週間の運転期間を予定していたが、31日まで延長されることになった。

写真:2冠の快挙をたたえる都電荒川線の“北島電車”。車内にはサンケイスポーツ紙提供の写真も=撮影・大井田裕


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