★アジア旋風! 台湾のクンが武富士でツアー初V
【ラスベガス(米ネバダ州)19日=須田雅弘】世界の各ツアーに“アジア旋風”が吹き荒れる。米女子ゴルフの武富士クラシック最終日(19日、米ネバダ州ラスベガスCC=6494ヤード、パー72)は、首位でスタートしたツアー参戦2年目のキャンディー・クン(21)=台湾=が70で回り、通算12アンダーでツアー初優勝を飾った。〔写真右:ツアー初優勝を飾ったクンは、武井会長から優勝カップを手渡され満面に笑みを浮かべた=撮影・藤原重信。同下:ラスベガス一のタワーホテルをバックにパットするクン=撮影・藤原重信〕
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大相撲の横綱朝青龍にどこか似ている顔が、思いっきり崩れた。笑った。クンがVだ。アジアの新星がまたひとり、頂点を極めた。
「最後は3パットでちょっと恥ずかしかったけど、うれしいです」
ソレンスタムら強豪を抑えた。10アンダー首位から発進。1番をボギーで出る苦しい展開も、17番まで4バーディーを奪って逃げ切った。
1メートル68と女子では平均以上の体。腕をいっぱいに伸ばして振る大きなスイングで飛距離も出るが、身上は確実なゴルフだ。ルーキーイヤーの昨年、賞金ランクは36位ながらパーオン率は71.2%でランク5位。確実性でトップ級の力を、早くも花開かせた。
台湾のクンのほか、韓国選手がトップ10に3人。いや、今大会だけではない。いまや世界のゴルフ界には“アジア旋風”が吹き荒れている。
今季の米女子では朴セリが1勝。日本の女子でも韓国の李知姫が2週連続優勝を果たした。
男子も同じだ。米男子ツアーでは崔京周(韓国)が活躍中。3月に開催された「ダイナスティカップ」でも韓国、中国、台湾などの代表を集めたアジア選抜が日本代表を下した。年々高くなっていくアジアのレベル。日本は取り残された感さえある。
「自分を信じてやってきてよかった」と瞳を潤ませたクン。会見終了後はLPGA(米女子プロゴルフ協会)の電話を使い、台湾の友人へ“優勝コール”をかけ続けた。アジア方面への電話代は、今後どれだけ膨れていくのか…。一方で、世界の各ツアーにおける日本の窮状が浮き彫りになった。
| ★キャンディー・クン |
| 1981年8月8日、台湾・高雄生まれ。21歳。本名・●(龍の下に共)怡萍。13歳のとき父の影響でゴルフを始める。南カリフォルニア大出身。01年8月プロ転向。同年の下部ツアーで1勝。同年オフのQT(翌年のツアー出場権をかけた予選会)に通って、02年から米女子ツアーに参戦。昨年の全英女子オープン4位。昨季の賞金ランク36位(26万1044ドル=約3130万円)。家族は両親と兄。1メートル68。 |
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★クンの使用ギア★
▼1W=クリーブランド・ランチャー400(ロフト角9.5度、長さ44インチ、シャフト硬度R)
▼3、5、7W=同・ランチャー
▼4〜9番アイアン=同・TA7
▼PW(ロフト角45度)、SW(同53度)、LW(同60度)=同・ツアーアクションREG588
▼パター=オデッセイ・ホワイトホット2ボール(マレット型)
▼ボール=タイトリスト・プロV1x
★ダイナスティカップ★
アジアンPGAと日本ゴルフツアー機構(JGTO)が共同で主催するアジア選抜と日本代表の対抗戦。今年の3月14日から3日間、中国で第1回大会が行われた。林根基(台湾)、張連偉(中国)ら日本ツアーのメンバーを中心にしたアジア選抜が、戦前の予想を覆し、16.5ポイント−7.5ポイントで圧勝。中嶋常幸、佐藤信人、今野康晴ら昨年の賞金ランク上位をそろえた日本代表は惨敗を喫した。
★福嶋晃子、うれしくて悔しい今季最高6位
【ラスベガス(米ネバダ州)19日=須田雅弘】米女子ゴルフの武富士クラシック最終日(19日、米ネバダ州ラスベガスCC=6494ヤード、パー72)で、福嶋晃子(29)は通算8アンダーの6位で今季初のトップ10入り。連覇を狙ったアニカ・ソレンスタム(32)=スウェーデン=は、67の猛追も及ばず2位。小林浩美(40)は30位、藤井かすみ(35)は62位。東尾理子(27)、小俣奈三香(26)、リンダ石井(25)は予選落ちしていた。
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うれしさと悔しさが同居した。福嶋は今季初のトップ10入りとなる6位フィニッシュに、複雑な表情でホールアウトだ。
「6番? う〜ん…」。504ヤード、パー5の第2打。フェアウエーから残り213ヤードを5Wで2オンを狙ったが、コース右の民家に飛び込みOB。ダブルボギーの「7」で、この日の貯金を吐き出した。
それでも6番をのぞけば6バーディー、1ボギーの内容。「ずっと悪いままじゃなくてよかったです」。今季は4戦で予選落ち2度、30位が最高という不振だったが、上昇へ手応えをつかんだ。
「明るい兆しは見えてきました」。4年ぶりのツアー優勝は、近づいている。
★女王ソレンスタムは2打届かず
女王届かず。トップと5打差から出た前年覇者、アニカ・ソレンスタムは13番からの3連続バーディーなどで猛追したが、クンに2打及ばず。通算10アンダーの2位で連覇を逃した。
「やっぱり初日出遅れた(72)のが痛かった。もう1度ラウンドできるならしたい」と苦笑い。それでもこの大会は第1回から2位、2位、優勝、そして2位。“連対率100%”をキープしたのはさすが。
◆前日の18番(パー5)で「9」をたたいた悪い流れを止められず76。通算4オーバーの62位に終わった藤井かすみ 「つまずきっぱなしでした。夜(カジノ)のバーディーはしっかり取ったんですが…」
◆通算10アンダーで2位のSY・カン(韓国) 「アニカ(ソレンスタム)と一緒のラウンドも緊張はしなかった。リラックスしていいプレーができました」
◆2位のクリスティー・カー(米国) 「パットが入れば結果は違ったのに…。きょうはキャンディー(クン)の日、キャンディーのためのトーナメントだったわ」
★小林浩美が教える「パットのテークバックは大きく」
【ラスベガス(米ネバダ州)19日=須田雅弘】米女子ゴルフの武富士クラシック最終日(18日、米ネバダ州ラスベガスCC=6494ヤード、パー72)。「パッティングで、なぜかボールの転がりが悪いんだよ…」と頭を抱えているあなた。同じ悩みを解消した小林浩美の言葉に耳を傾けよう。
「バックスイングが小さくて、いきなり“ツン”という感じで打ってしまうとダメ。ラインに乗らない。ラインに乗せるには、ゆっくりと大きめにテークバックをとらないといけません」
パターヘッドが打ち出すラインに接している時間を長くするイメージだ。プロのパッティングを見れば、驚くほどゆっくりとストロークする選手が多いことに気づく。“ツン”とぶつける感じではなく“スーッ”という感じでストロークしよう。
★朴セリが見せた、ファンに対する「神々しさ」
18番グリーン横で、僕はドキリとした。通算8アンダーの6位に終わった朴セリ(韓国)が、人ごみのなかで突然ひざまずいた。そこには2歳の小さな男の子が…。ショートパンツルックだった朴は、サインをしてあげるためにひざを汚し、手のひらを地べたについた。
視線を子供と同じ高さにして対応する。また、別の場所では、他の選手が無造作にペンを走らせるだけではなく、「どこから来たの?」「ゴルフは好き?」などと、声をかけながら子供たちと交流していた。
米女子ツアーは、選手が努力して作り上げている。とてもうれしそうな子供たち。これが本当のファンサービスだ。「サインをしてやるよ」ならしない方がいい。だれとは言わないが…日本選手もぜひ、まねしてほしい。
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◇サンスポ読者特派員現地リポート
19日、最終日。初日から安定してスコアを伸ばしたキャンディー・クン(21歳)?゚台湾?゚が12アンダーで優勝し、2位タイには昨年の優勝者、A・ソレンスタムら3人が10アンダーで並びました。A・ソレンスタムは5アンダーからスタート。一時はスコアを落としましたが、バックナインで3連続バーディーを奪いトップ争いに加わるなど、最後まで優勝をあきらめずにプレーするところに、彼女の強さの源を感じました。来月25日からは米男子ツアー「バンク・オブ・アメリカ・コロニアル」(テキサス州コロニアルCC)に出場しますが、どんなプレーを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。
また、ドライビングディスタンス1位を武器にした福嶋晃子が8アンダー6位タイに入り、健闘しました。米国でがんばっている福嶋や小林浩美らに刺激されて、もっと多くの日本人選手が米ツアーに出場し、活躍する姿を見てみたいと思いました。
最後に、このような素晴らしい大会を見て、とてもいい勉強と貴重な体験になりました。ありがとうございました。
〔写真:最終日、スコアを5つ伸ばしたA・ソレンスタムが2位タイに入った〕
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読者特派員・佐藤真弘(21)=顔写真=。東京都葛飾区生まれ。現在、日本大学のゴルフサークル「ディボットゴルフクラブ」に在籍し、昨年の国分杯学校対抗選手権では個人・団体ともに優勝。今回はサンスポ読者を代表して大会をリポートしました。
特別協賛=武富士 旅行取り扱い=JTB
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