各競技で話題のトピックや疑問点に担当記者が切り込む新企画「番記者が解説~深層」。今回は巨人・田中将大投手(37)が今季復活を遂げた理由に巨人担当の依田雄太記者(24)が迫る。その歩みを間近で見守ってきた久保康生巡回投手コーチ(68)と、客観的なデータで分析する元巨人投手、木村正太データアナリスト(39)の証言から好調の要因をひもといた。
「(去年と)もう全然違う。順調にいい感じで来ている。これはいけるんじゃないかなと、正直今は思っています」
2月1日のキャンプ初日。一番乗りでブルペン入りし、55球を投げ込んだ巨人・田中将は力強く語った。
加入1年目の昨季は3勝4敗、防御率5・00と苦しんだが、今季はここまで7試合に登板して防御率2・72、チーム2位タイの3勝(2敗)をマーク。宣言通りの好投を見せている。かつての力でねじ伏せる投球から、緻密なコントロールで丁寧に打ち取るスタイルへと生まれ変わった。
好調を支える最大の要因は、直球の使い方の変化だ。球団のデータアナリスト、木村氏は「直球は陰の立役者」と評した。
「昨季は慎重になりすぎて全球種が低くなり、ボール球が増える傾向にあった。しかし今季は、両サイドへの直球をしっかり投げられている。ゾーンを広く使い、バッターを差し込めていることが、変化球にも良い影響を与えている」
やみくもに低めを狙わず、両サイドの直球で目線を散らす。これにより打者の「変化球待ちの直球対応」を許さず、持ち味である低めの変化球で凡打を誘うことができるのだという。
さらに、スライダーでの空振り率が昨季と比べて上昇した。曲がり幅も増しているが、鍵は「投げどころ」の改善だ。