虎党で超満員となった甲子園。ワールドシリーズに負けない熱戦となった=甲子園球場(撮影・林俊志) (SMBC日本シリーズ2025、阪神1-2ソフトバンク、第3戦、ソフトバンク2勝1敗、28日、甲子園)6時間26分という日本プロ野球最長試合を記者席で眺めたのは1992年9月11日、阪神-ヤクルト(甲子園)でのこと。試合の長さを感じることなく、深夜0時26分のゲームセットを迎えた記憶がある。
「締め切りは間に合うのか?」
開口一番、激闘を振り返るより先に、原稿の締め切りを心配してくれた中村勝広監督は、今思えば、すごく新聞記者の味方だった。
午前2時を過ぎて球場を出たら神戸ナンバー、大阪ナンバーのタクシーが周辺道路を埋め尽くしていた。最終の電車もバスもなくなって、タクシー運転手さんには、格好の〝長距離のお客〟が集まる場所だったわけだ。
長い長い試合なのに、読者に喜んでもらえる、感動的な思い出があまり出てこない。
それに比べたら、ドジャーブルーに染まったスタジアムの選手、ファン、関係者の興奮、感動は、テレビ画面ごしにも十分に伝わってきた。
日本最長をさらに超える6時間39分の死闘。エンドレスに続くかもしれない延長に備えて、2日前に完投したばかりの山本由伸がブルペンへ向かう姿に涙した人もいた!?
「なんか、誇らしかったです」
日本シリーズ取材班に加わっているカープ番・西垣戸理大も、感無量の様子だった。
オリックス担当時代の2021年はリーグ優勝、翌22年は日本一。その原動力となったのが山本だった。無敵ヨシノブの原稿を書きまくった男は、彼の秘めたる男気をサンスポで一番知っている記者だ。海を渡っても変わらないなぁ…。心の中でエールを送っていた。
死闘18回。現地で取材したメディアも、きっと一生の思い出だろう。
日本時間でいえば、お昼のドジャーブルーの次は、夜のタイガースイエロー。甲子園は予想通り、圧倒的な阪神ファンで埋め尽くされた。