子どもたちから花束を贈られる西武・増田達至(撮影・田村亮介) (パ・リーグ、西武1-5ロッテ、24回戦、ロッテ20勝4敗、28日、ベルーナ)西武一筋12年、球団記録の194セーブを挙げ、今季限りで現役を引退する西武・増田達至投手(36)の引退セレモニーが行われた。以下はその全文。
私、増田達至は今シーズンを最後にユニホームを脱ぎます。12年前、埼玉西武ライオンズに指名していただき、僕のプロ野球人生が始まりました。右も左も分からないプロの世界で、どこまで自分が戦っていけるのか不安な中、NTT西日本の寮を出たことを今でも覚えています。
憧れの先輩方が近くにいるこの世界で、置いていかれないように、遅れを取らないように、がむしゃらに食らいついてやってきました。そして2018年、19年には選手会長をやらせていただき、リーグ連覇を経験させていただきました。ビールかけの音頭を取らせていただいたことはうれしかったですが、優勝を決める最後の1球を僕に託してくださったことが、僕の人生で一生忘れることのできない登板でした。
プロ野球の人生のほとんどが中継ぎ、抑えでの登板で、結果を残さないといけない場面で、マウンドに上がることへの重圧で心が折れそうになることもありました。そんなとき、僕のことを信じ、マウンドに行かせてくださった監督をはじめ、気持ちに寄り添って指導してくださったコーチの方々、勝利を信じ、560試合ともに戦ったチームの仲間たちのおかげで今日、この日まで自分らしく野球を続けることができたと思っています。
何より、どんなときも側にいてくれて、一番近くで支えてくれた家族に感謝の思いを伝えさせてください。亡き親父、36歳まで野球を続けることができました。今日くらいは褒めてください。おかん、丈夫に産んでくれたおかげで、大きいけがなくここまで野球を続けることができました。ありがとうございました。長生きしてください弟、自分のことよりもいつも家族を優先してくれてありがとう。妻、あなたがいなければ、ここまで幸せなプロ野球人生を送ることができませんでした。一番近くでどんなときも笑顔で支えてくれてありがとう。これからは恩返しさせてください。これからもよろしくお願いします。子供たち、あなたたちのおかげで勇気をもらい、ここまでマウンドに上がることができました。ありがとう。今まで何一つしてあげられなかったけど、これからはいろんなことをしような。次はパパがあなたたちを応援する番です。自分を大切に、自分の周りを大切にして頑張ってください。
最後になりますが、応援してださったファンの皆さま、2020年、FAで残留したときには僕を必要と思っていただけている人が一人でもいる限り、精いっぱいマウンドの上で腕を振って、頑張らなくてはならない、そんな思いでした。僕自身頑張ってきましたが、思うように投げることができず、ファンの皆さまの期待に応えることができませんでした。そんなときでも温かく応援してくれるファンの皆さまに僕が勇気をもらい続けてきました。スタンドから聞こえてくる声援、アウトを取るたびに響きわたる拍手。勝利をつかんだ時に湧き上がるファンの皆さまの歓声。一緒に積み重ねてきた194回の喜びは僕の一生の財産です。本当に力になりました。ありがとうございました。
そして、たった一つ成し遂げられなかった日本一の夢。僕は夢を諦めていません。その夢の続きは全力で戦う仲間たち、ライオンズの未来を担う後輩たちに託したいと思います。そして、その夢が果たされる時に皆さまと一緒に、ここに居たいと夢見ています。本当に12年間ありがとうございました。