【プロ野球日本シリーズ第2戦 オリックス対阪神】4回、安打を放つ阪神・中野拓夢=京セラドーム(撮影・宮沢宗士郎) (SMBC日本シリーズ2023、オリックス8-0阪神、1勝1敗、29日、京セラ)京セラドームに意地の快音が響き渡る。中野が不振に終わった広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージから完全に調子を取り戻し、〝お祭り男〟として帰ってきた。
「CSファイナルがふがいなかったので、日本シリーズは何としても自分の役割をしようと強い気持ちを持っていた。この2試合はいい仕事ができたと思います」
まずは一回1死。球速差62キロをものともせず痛快にはじき返した。宮城の初球は147キロ直球。続く85キロカーブを中前に運んで、2戦連続で一回にチーム初安打をマークした。四回の第2打席は宮城の足元を突く内野安打。六回にも四球を選んで塁上をにぎわした。2試合で打率・625(8打数5安打)、出塁率・667と絶好調だ。
「CSファイナルはポイントがバラバラでどうしたらいいのか分からない状態だった」
CSでは11打数1安打と不振に苦しんだ。表情だけで愛息の調子が分かる母・節子さん(55)が「打てそうな顔をしていないんですよね…」と心配するほど。それでも、今季164安打でセ・リーグ最多安打のタイトルに輝いた男は修正能力もピカイチ。「この2試合は自分のポイントで打てている」と、1週間の調整期間で本来の形を取り戻した。
「お祭り男になりたい」と意気込んで臨んだ日本シリーズはここまで宣言通り。今後の活躍次第で、シリーズ最高殊勲選手賞(MVP)だって狙える成績だ。甲子園で迎える31日の第3戦からは山形県から両親も応援に駆けつけてくれる。
「甲子園の初戦を取る取らないでだいぶ流れも変わってくる。チームでもう一回気を引き締めて、何とか甲子園の初戦をとれるようにやっていきたい」
すっかり〝打の顔〟になったヒットメーカーが、甲子園でも快音の嵐を巻き起こす。(原田遼太郎)