青山キャンパスで会見に臨む下村。今年もさまざまなドラマが待っていた プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(26日)どよめきと歓声。スターたちが生まれていく瞬間にふさわしい、華やかなドラフト会議だった。そうか、4年ぶりの有観客開催なのか。虎ソナのような人間は「コロナ禍でのドラフト会議ってどんなふうだったかな?」ともう忘れかけていた。よくよく振り返ってみると、昨年までは1位指名で競合すれば各球団の代表が別室へ移動して抽選に臨んでいたのだった。
写真を見返しても、2020年秋に阪神・矢野前監督が4球団競合の末に引き当てた佐藤輝明は近大で会見に臨んだ際にも口元にシールドを装着していた。大声にも飛まつにも密にも気を付け、我慢やしんどいことばかりのコロナ禍だったけれど、あのときばかりは編集局でもみんな大声を上げて喜んだなぁ…。今年は〝制限〟もなくなり、多くの選手たちが勇ましく第一声を発した。指揮官たちのガッツポーズ、落胆、選手たちの笑顔、涙もあった。われわれ伝える側にとっても、やはりたまらないドラマに満ちた一日だ。
各球団の番記者がドラフト会場に一堂に会するのも、同じく4年ぶりだった。歴代の虎番キャップたちは、自分が締めるネクタイの色にまでこだわってドラフト当日の会場に乗り込んできた。この日の当番デスク、阿部祐亮も「球団社長だった揚塩(健治)さんからもらった〝勝負ネクタイ〟を締めて行った記憶があります」と振り返る。
阿部は2012年10月には、願掛けの恐るべきパワーも目の当たりにしている。ドラフト直前に東京・千代田区の神田明神で願掛けをした和田監督(当時)が、見事にオリックス、ヤクルト、ロッテとの競合を制して大阪桐蔭高の藤浪晋太郎を引き当てる姿を間近で取材したのだ。願えば叶う。ならば自分もほんの少しでもチームの力になりたい-。そんな切実な思いで番記者たちも臨むのが、ドラフト会議というものだ。