阪神の話題をさまざまな角度から提供する不定期企画「虎らんまん」。今回はブルペンの「スペードのエース」として存在感を高めている2年目左腕・桐敷拓馬投手(24)の秘密に迫る。ゴロアウト率がチームで2番目に多い理由をデータで分析すると、ある魔球で〝左打者封じ〟をしていることが明らかになった。
緊迫した展開でマウンドに上がり、平然とスコアボードにゼロを刻んでベンチに帰る姿はまさに仕事人だ。ゴロで打たせて取るスタイルを存分に発揮し、ブルペンで確固たる地位を築く桐敷は躍進の理由を自己分析した。
「ツーシームで内角を突けているところが大きい。そこは一番意識していることです」
今季、左腕が奪ったアウト(三振を除く凡打)の58%がゴロで、これは投球数が100以上の阪神の投手の中で2番目に多い数字(すべて28日時点のデータ=1位は加治屋蓮の68%)だ。特に左打者のツーシームの被打率は・111(18打数2安打)と顕著で、ゴロアウトが凡打の71%を占める。桐敷は「左打者にツーシームを見せて意識させれば他の球も生きてくる」と説明。打者の手元に食い込むように沈む魔球が投球の鍵を握っている。
今季はここまで16試合(先発2試合)の登板で2勝、7ホールド、防御率2・40。火消し役だけでなく、複数イニングの救援もできる万能型左腕は今やブルペンに欠かせない存在だ。岡田監督も「いろんな場面で使える。スペードのエースやろ」と評するほど信頼は厚い。本人も「(評価されるのは)うれしい。回をまたいだり、自分の役割は理解しているつもり」と胸を張る。チームは現在、ブルペンの負担を考慮して日替わりで中継ぎ投手をベンチ外にして休ませる方針を取り、登板過多を防いでいる。「(休養があるのは)ありがたい。その時間で(頭と体を)リセットしてもう一回、という感じになる」と桐敷。優勝へのマジックナンバーも着々と減り、アレへ向けた戦いが続く虎で「スペードのエース」がブルペンの救世主だ。(織原祥平)