前東洋大監督・高橋昭雄氏の葬儀に、教え子のヤクルト・原樹理&オリックス・中川圭太はペナントレース中のため参列できなかった 亡き師に、日本一の報告をしたい-。東洋大野球部OBには、今秋、こういう思いの強い選手がいる。
昨年、セ・リーグ優勝、さらに日本一を成し遂げたヤクルト・原樹理投手(29)が「連覇」の報告をと考えれば、日本シリーズで今年も対戦するオリックスには、パ・リーグのクライマックスシリーズ第3戦(15日)で、左前サヨナラ打で2年連続の日本シリーズ出場を決めたオリックス・中川圭太内野手(26)が「今年こそ」と燃える。
二人の恩師は、9月7日に逝去した東洋大・高橋昭雄前監督(享年74)で、通夜(9月11日)に約1000人、告別式(同12日)に約500人が参列していたが、ペナントレース中で現役のプロ野球選手は訪れることはできなかった。
来年1月8日に行われるOB会があらためた形でのお別れ会のようになるが、その前にしっかりと報告しなければならないと考えている。
原の2015年ドラフト1位指名時に、恩師は、「『プロに行く選手に育ててくれ』と預けられて、本当に、1位で巣立ってくれた」と涙を流したほど、原の育成に心血を注いでいた。
中川へ情熱も並々ならぬものだった。
大阪・PL学園高時代に最後のプロ野球選手をめざして志望届を提出したが、指名漏れ。そこに声をかけ進学させ、しかも入学式の前どころか、「PLで熱くやってきた男がウチに来た。モノが違う」とほれ込み、入寮と同時にオープン戦で起用を明言し、右肩の状態が戻るまでは指名打者として使い続け、結果を出し続け、3年まで中心選手として鍛え上げ、さらに4年時には主将に推薦するほど目をかけ続けていた。
「選手は俺の子供だ、息子だ」が口ぐせで、中川の4年時のドラフト会議では、同期の上茶谷大河投手がDeNA1位、甲斐野央投手がソフトバンク1位、梅津晃大投手が中日2位で脚光を浴びた中、中川は、オリックスの7位。全体で下から7番目、〝日陰の指名〟にも辛抱強く生き、勝負の時こそ結果を出す強い選手になれと励ましてきた日々があった。
10月22日開幕、まず、熱い対決、勝負を恩師に届ける。(赤堀宏幸)