仲間への思いを聞かれ、涙をこらえるヤクルト・坂口智隆=神宮(代表撮影)
現役引退を発表するヤクルト・坂口智隆=神宮(代表撮影)
花束を手に笑顔を見せるヤクルト・坂口智隆=神宮(代表撮影)
ヤクルト・西田明央(右)から花束を渡され、笑顔を見せる坂口智隆=神宮(代表撮影) ギャラリーページで見るヤクルト・坂口智隆外野手(38)が30日、神宮球場内で記者会見を開き、今季限りで現役を引退することを明かした。プロ20年間で通算1525安打。「ぐっち」の愛称で多くのファンに愛された不屈の男が、ユニホームを脱ぐ。
「ここ何年かは、けがもありましたし、成績も振るわないことがあって、覚悟をしながらの一年一年だった。体はまだ動きますし、『まだある程度やれるんじゃないか』とか、『1、2年できるんじゃないか』とか思い始めた時に、自分はやっぱり試合に出たいであったり、レギュラーを取りたいという思いで、プロに入ってから20年間やってきたので、野球に対してそういう気持ちで向き合ってしまっているというのは、違うんじゃないかなと。そういう思いで決断しました」
坂口は2003年に神戸国際大付高からドラフト1位で近鉄に入団。オリックス時代の11年にはシーズン175安打で最多安打のタイトルを獲得した。15年オフにみずから自由契約を申し入れ、16年にヤクルトに加入。新天地でもレギュラーで主に1番打者として活躍したが、若手の台頭もあって昨季は25試合、今季は23試合の出場にとどまっていた。
NPBの現役では最後の近鉄出身の選手。「近鉄バファローズがなければ、プロ野球選手になれてないと思うので感謝して、何とか一年でも名前が表に出るようにと思ってやってきたんですけど、今回こういう形になって申し訳ない気持ちはありますが、いろんな人に思い返してもらえれば」と思いを明かした。
現在、独立リーグの香川では近鉄、オリックス、ヤクルト全てでチームメートだった近藤一樹投手兼任コーチ(39)が現役を続けている。1歳上で誕生日も1日違いの先輩へ「報告させてもらったときに『近ちゃんはまだまだバリバリ投げていてください』と言わせてもらいました。可愛がってもらったし、誕生日も次の日だし、仲良くしてもらった先輩の一人なので、納得するまで投げ続けていってほしい」と思いを託した。
幾度の故障にも負けずに立ち上がり、泥臭く駆け抜けたプロ野球人生。「自分はファンサービスを愛想良くできなかった。自分の場合はプレーで魅せるしかない。見に来てよかったなと。アウトになっても、ミスしても思ってもらえるようにというのが、全て全力で取り組むというところだった。これだけ応援していただいて、感謝というか、言葉では表せない」とファンへの思いを明かし、涙をこらえ、野球人生に区切をつけた。