地元愛が野球の原動力だ。阪神のプロ2年目の石井大智投手(24)は今季ここまで中継ぎとして9試合に登板し、防御率1・50と活躍(9日時点)。秋田県出身の右腕は県の形を模したデザインが入ったグラブを練習で使用している。
「(グラブをそういうデザインにしたのは)ただ秋田出身だからというだけなんですけど、地元愛というか、地元を大切にしたいなと思って」
秋田市生まれの石井は秋田工業高専卒業後、四国IL・高知に入団。同球団で2年間プレーし、2021年に虎入りした。ここまで秋田、高知、兵庫の3県で生活してきたが、「そこで育ったというのもあるかもしれないけど、(秋田が一番)過ごしやすいし、自分に一番合っているところなのかな」と話す。さらに「今は(プロとして)野球をやっているのでできていないけど、ウインタースポーツがすごく好き。学校の授業とかでスノボとかもしていたましたね」と雪国ならではの楽しみがあることも愛する理由の一つだ。
秋田で思い浮かぶものといえば、郷土料理として有名なきりたんぽ。地元の人ならよく食べるものかと思いきや、意外にもほどんど食べたことがないらしい。「実はきりたんぽを人生で二回くらいしか食べたことがなくて…。本当に他県の人が食べにくる郷土料理なのかな」と苦笑いしたが、忘れられない地元の思い出の味もある。それが〝ババヘラアイス〟だ。
「おばあちゃんたちがヘラでアイスをすくってバラの形に盛ってくれるんですよ。その露店が運動会とか夏祭り、高校野球の大会の球場とかのイベントごとの時に絶対あって。すごく好きでしたね」
イチゴ味とバナナ味の2種類のアイスを交互にヘラでバラの形に盛ったもので、価格は200円程度。地元のおばあちゃん(ババ)がヘラでアイスを盛ることから〝ババヘラアイス〟と呼んでいるという。
「他県の人に聞いても『ババヘラアイスって何?』っていう反応になるので秋田県だけなのかなと思う。めちゃくちゃうまいですよ」
雪も、アイスも溶けてしまうような熱い投球を甲子園で見せる。地元の思いを胸に石井はこれからも戦う。(織原祥平)