5日の西武戦で適時打を放ったヤクルト・長岡=神宮球場(撮影・佐藤徳昭) ヤクルトの交流戦の戦いは、言うことがない。投打が、がっちりとかみ合い、隙は見当たらない。交流戦優勝を手にすれば、さらに弾みがつくはずだ。
5日の西武戦(神宮)で決勝打を放つなど、状態を上げてきた長岡の打撃センスには目を見張るものがある。特に右腕の使い方だ。緩い変化球に対して、右腕一本で払うように右前へ運んだり、ファウルで逃げたりする技術は、今のスワローズで青木を除けば誰も持っていないスキル。左脚と左股関節に重心を残し、その場で素早く回転できている証拠だ。
無理に両手で振り切るのではなく、右手一本でさばくバットコントロールは、左打者が陥りがちな「走り打ち」をする打者にはできない。しっかり振り切ってから一塁へ走り出す。日頃から強くスイングする意識が打席で表れているのだろう。
もっと数字を残せる余地もある。走者がいる場面こそ、狙い球を絞って慎重に打つ姿勢があるからだ。一方、走者なしやチャンスの場面では積極性を見せようとし過ぎて若干、強引な面も見える。
相手球団も打席傾向が分かってきているだけに、初球から変化球の場面も増えている。そこで直球待ちの長岡が手を出してしまい、凡打になるのはもったいないし、チームにとっても相手投手に球数を投げさせられず、厳しくなる。がむしゃらにバットを出すのではなく、走者がいる場面と同様に、狙い球を絞る慎重さがあってもいい。
巧みなバットコントロールは、青木に匹敵する技術になる可能性も秘めている。積極性の中にも慎重さを。打席に入る前に頭の片隅に入れるだけでも、少しずつ変化が出てくるはずだ。(サンケイスポーツ専属評論家)