西武・中熊大智捕手(25)が9日に来季の育成選手契約を締結。勝負の4年目へ、強い覚悟を示した。
「どうしても3年間、育成のまんまでいると支配下になるっていうのが目標になっちゃうんですけど、もっと1軍っていうところを見て、支配下を通過点にして、1軍の戦力になれるように頑張っていきたい」
九州学院高(熊本)から徳山大を経て、2019年に育成ドラフト3位で西武入団。174センチ、87キロの捕手は、育成選手のため、背番号は3桁の127番。大学時代はリーグ戦で2度の首位打者を獲得するなど、左打席からのシュアな打撃が持ち味だ。
3年目も支配下登録を勝ち取ることはできなかった。今季はイースタン・リーグで83試合に出場し、打率・265、0本塁打、20打点。「とにかくバッティングでアピールしようっていう感じだったんですけど、難しさをシーズンを通してすごく感じた」と悔しさをにじませた。
中熊には頼りになる存在がいる。今季、2軍打撃コーチを務めた高山久氏(40)だ。中熊と同じ九州学院高出身で15学年上の先輩にあたる。同コーチは00年に同校からD1位で西武に入団。3度の三冠王を達成した落合博満に似た神主打法で、10年には11本塁打をマークした。14年に現役を引退し、その後は九州地区担当スカウトとして平良(八重山商工高)らを発掘。今季から2軍打撃コーチに就任していた。
中熊は「僕が西武に入って、めちゃくちゃお世話になっているコーチの1人。今シーズンは高山さんがいなかったら、本当にひどい成績で終わったんじゃないかなと思います」と感謝の言葉を口にする。
秋季練習では強い打球を飛ばすため、高山コーチに指導を求めた。右脚が着地した瞬間に、トップと呼ばれる、力が最もたまる局面での「上体と下肢のねじれ、捻転差」を意識した練習に着手。「上半身と下半身のねじれっていうのはすごく大事だと思います」と重要性を痛感している。
「プロ野球選手は自分を奮い立たせて頑張る人と、周りに喜んでもらうために(頑張る)2種類いるって言われて、僕はもう完全に後者」と中熊。高山コーチは来季から1軍打撃コーチに昇格する。〝大先輩との共闘〟には、自身の支配下登録が必要不可欠。
「1軍で出て、結果を残して喜ばせたいですね。何とか来年、高山さんに会えるように頑張りたいと思います」。何より見たいのは周りにいる人たちの喜ぶ姿だ。目標達成へ、中熊は今日もバットを振り続ける。(加藤次郎)