松坂氏へビデオメッセージを寄せたイチロー氏は「僕にはこんなやり方しかできない」と言うと、サプライズで登場。黄色のバラなどでつくられた花束を渡した。黄色いバラの花言葉は「友情」だ(撮影・加藤圭祐)
イチロー氏からのビデオメッセージを見る松坂大輔氏=メットライフドーム(撮影・加藤圭祐)
サプライズで松坂大輔氏に花束贈呈を行うイチロー氏=メットライフドーム(撮影・加藤圭祐)
松坂氏(左)と同学年で親交のある俳優、妻夫木聡も花束を贈呈した(撮影・加藤圭祐)
松坂氏は1999年5月16日、イチロー氏を3打席連続三振に斬った ギャラリーページで見る今季限りで現役を引退した前西武・松坂大輔氏(41)の引退セレモニーが4日、メットライフドームでのファン感謝イベント「LIONS THANKS FESTA」で行われた。セレモニーの最後には「平成の名勝負」を繰り広げてきたイチロー氏(48)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=がサプライズで登場し、23年間の現役生活を終えた〝平成の怪物〟をねぎらった。
感動的なセレモニーのエンディングに、衝撃のサプライズが待っていた。場内を一周した松坂氏の目に飛び込んできたのは、大型ビジョンに映し出されたイチロー氏の姿だった。
「大輔。どんな言葉を掛けていいのか、なかなか言葉が見つからないよ。だから僕にはこんなやり方しかできません。許せ、大輔」
動画が流された後、一塁側ベンチから花束を持ったスーツ姿のイチロー氏が登場。松坂氏は驚きのあまり、膝に手をついたまま、しばらく動けない。ねぎらいの言葉を掛けられると、感情がこみ上げた。
「(会話の)全部は言わないですけど、『お疲れさまでした』ということと『長い間、よく頑張ったね』。その言葉を聞いたときに一気に涙が出ました」。レジェンドが引き揚げるまで30秒ほどの出来事。1万4000人が詰めかけたメットライフドームはどよめきに包まれ、松坂氏は感無量の様子だった。
松坂氏にとって唯一無二の存在だ。西武1年目の1999年5月16日の初対戦で3打席連続三振を奪い、「自信が確信に変わった」と名言を残した。同年7月6日には節目の100号本塁打を許した。舞台を米大リーグに移した後も対戦し、ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表では第1回大会からの2連覇を、ともに達成。レジェンド同士にしか作れない空間が、そこにはあった。
「イチローさんに言われると、同じ言葉でも僕への響き方というか、言葉の重みは違うなと改めて思いました。去り方もイチローさんらしくてかっこいい演出でしたね」
自身は日米通算170勝108敗2セーブ。セレモニーで「普通に投げられなくなるまで野球を続けることができて本当に幸せでした」とあいさつ。「うれしい経験、悔しい経験をたくさん積み重ね、信念を持って上を目指していってほしい」と後輩に呼び掛け、黄金時代の再来を託した。(湯浅大)