オリックスは9回、ジョーンズが左翼へ特大の決勝弾=東京ドーム (撮影・中井誠) (SMBC日本シリーズ2021、ヤクルト5―6オリックス、ヤクルト3勝2敗、25日、東京D)オリックスはアダム・ジョーンズ外野手(36)が5―5の九回、先頭で代打で登場すると、ヤクルトの守護神マクガフの2ボールからの3球目を左翼席中段まで運んだ。決勝ソロで崖っぷちから生き返った。
1勝3敗で後がないオリックス。この第5戦を勝たないと神戸に帰れない。とにかく粘って粘って粘りまくった。
0-1の四回、先頭の福田が右前打で出塁。宗への初球、オリックスベンチはエンドランを仕掛ける。しかし外角高めを宗は空振り、福田も盗塁死。その後、宗も左飛で2死となり、好機を逸したかに思われたが…。
続く吉田正は右翼線二塁打。再びチャンスを作り杉本だ。フルカウントから低めのスライダーにバットを伸ばして中前に弾き返した。右手骨折から復帰したばかりの吉田正は本塁へ激走。中村と激突しながら、わずかな隙間に足を入れた。
「何とか(吉田)正尚を返すことだけを考えて打席に入っていました。振りすぎないように意識していましたし、いいところに飛んでくれました」と杉本。何度もチームを救ってきた3、4番コンビが、ここでも機能した。
2―2の七回には中嶋監督のマジックがさく裂した。「8番・二塁」で起用した太田が1死二塁から、日本シリーズ自身初安打となる三塁打でついに1点を勝ち越した。さらにモヤの右前へのポテンヒットで2点を勝ち越す。
八回に1点を加えて5―2に。この裏、ヤクルト・山田に悪夢の同点3ランを被弾したが、劇的ドラマは九回に待っていた。このシリーズは代打の切り札として待機するジョーンズは、第1戦に四球で出塁したあと、第2戦、第3戦、第4戦とも三振に倒れ、ここまで3打数無安打だった。まさに起死回生だった。
第6、7戦目が行われる神戸(ほっと神戸)への切符を勝ち取るためにも勝つしかなかった。試合前、中嶋監督は何度も手をたたきながら「(神戸に)帰るぞ!」とナインにゲキを飛ばしていた。ドラマは神戸で続いていく。(竹村岳)