サンスポは大阪・難波で「オリックス優勝」の号外を配布。猛牛ファンは大喜びだ 「やっぱり優勝っていいもんですねぇ」
京セラドームのマウンド付近で、中嶋監督、宮内オーナー、選手たち…。次々と胴上げされていくオリックスのメンバーを眺めながら、援軍として現場にきていたデスク・阿部祐亮がつぶやいていた。
その通りやなぁ。「虎のソナタ」的には、阪神でこの光景を見たかったけれど、今となってはどうしようもない。
阿部デスクと一緒になって羨ましそうに眺めていたら、オリックスの一団から一人、こちらに向かって歩み寄って来てくださったお方が。福良GMだった。
「来てくれてたんやな。顔が見えたから」
と手を差し出していただき、熱い握手。
2016年のオリックス担当です、私。以前にも書いたが、あの年はシーズン最下位。交流戦も12球団で最下位。ファームもウエスタンで最下位。おまけにオープン戦も最下位。長いプロ野球の歴史で唯一の〝最下位グランドスラム〟を達成した、悪夢の1年だった。その時の指揮官が、福良現GM。相当な苦労だったと思う。
あの年の2軍監督が田口外野守備走塁コーチ。何とシーズン途中に病気で何試合か、休養してしまう。
「俺より先に倒れてどうする?」
見舞いの電話を掛けた福良当時監督の言葉だ。何とか明るく振舞っていた。あれから5年。将はGMと立場を変え、チームを再建し、ついに優勝。まさに地獄から天国だ。
「福良さん、おめでとうございます」
その言葉しか思い浮かばない。
阪神も優勝したかったなあ…。この光景を見せつけられると、ますます悔しさが募ってくる。
待たされてのVも、いざ体験すると、案外いいもんだ。
もし、26日に阪神が勝っていたら、ヤクルトはまだ「マジック1」。29日の広島-ヤクルト戦を、11月1日のヤクルト-広島戦を、昨夜のオリックス担当と同じようにワクワク、ドキドキ、イライラしながら見ていたはず。待つ楽しみを味わいたかった。言っても仕方がないか。
痛恨のV逸から一夜明け。チームはクライマックスシリーズ(CS)に向け、傷ついた体と心を癒す〝戦士の休日〟だった。気分一新、出直すしかない。
ただ、日本一へ向けて再始動する本隊と同時進行で、来季へ向けての動きも。それを追うのもトラ番たちのお仕事。トラ番サブキャップ・新里公章は、東京・武蔵野市にある亜細亜大キャンパスに踏み入れた。ドラフト5位ルーキー・岡留英貴投手(21)の指名あいさつの取材だった。
「実は運命のドラフトの日から、勝手に岡留クンには思い入れがありまして。沖縄本島南部の糸満で生まれて、沖縄尚学高出身の岡留クン。那覇で生まれて首里高出身の私。そうなんです、同郷なんです」
毎年、12球団選手名鑑が完成すると、沖縄出身の選手を全員チェックして、声援を送り続ける〝沖縄応援団長〟が、新たなターゲットを得て、ゴキゲンだった。
「『ぼくとつ』という言葉がピッタリくる、好青年でした」
この沖縄の星が来年、大暴れしてくれるだろう。その前に、CSだ。羨むばかりではつまらない。